日経メディカルのロゴ画像

European Respiratory Journalから
肺高血圧症の「CTEPH」にリオシグアトが有効

2015/06/19
倉原 優

 肺高血圧症の一種である慢性血栓塞栓性肺高血圧症CTEPH)は、進行性で比較的致死性の高い疾患です。肺血管に生じた血栓によって、少しずつ肺動脈圧が上昇して右心不全を来すと考えられています。このCTEPHに対してリオシグアト(商品名アデムパス)が有効とされています。

 その根拠になったのはCHEST-1試験1)というNew England Journal of Medicineに発表された研究結果です。この研究は、16週間の経過観察の結果、リオシグアト投与により6分間歩行距離および肺血管抵抗の改善をもたらしたというもの。今回紹介するCHEST-2試験は、さらに長期にわたってリオシグアト投与の安全性と効果を検証したオープンラベル試験です。

 なお、肺動脈性肺高血圧症PAH)に対する効果(PATENT-1試験2))はすでにEuropean Respiratory JournalERJ)で報告されており、その長期投与試験(PATENT-2試験3))も同じ雑誌ERJに掲載されています。要は、CTEPHについてはCHEST-1→CHEST2、PAHはPATENT-1→PATENT-2という流れで試験を行っているワケです。

 呼吸器内科の実臨床では、純粋なPAHよりもCTEPHの患者さんをよく見かけるので、今日はCHEST-2試験をご紹介したいと思います。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」を基に『ねころんで読める呼吸のすべて』(2015年)、『咳のみかた、考えかた』(2017年)などの書籍を刊行している。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器 内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

この記事を読んでいる人におすすめ