日経メディカルのロゴ画像

European Respiratory Journalから
肺に充填剤を流し込む「ELS」は有効か!?

2015/05/15
倉原 優

 COPDが重症の場合、肺容量減量術という手術を行うことがあります。これは、気腫化した肺の一部を切除することで、肺容量を減少させるもの。最大吸気位でがんじがらめになった呼吸筋の運動を回復させることが目的です。

 この治療法が登場した頃には、ただでさえ呼吸機能が弱っているCOPD患者さんに対して、肺を切除するとはナニゴトか! と疑問視する声も挙がっていたのですが、近年では重症気腫肺に対して有効な治療法と考えられています1)。とはいえ、外科手術はやはりリスクが高いので、実際に手術に踏み切る症例はそんなに多くないのが現状です。

 そこで、内視鏡的に肺容量減量術ができないかと考えられたワケです。個人的には目にしたことはないのですが、Emphysematous lung sealant (ELS)という気腫肺に対する治療法があります。最もよく用いられているのは、AeriSeal System(Aeris Therapeutics社)という商品です。Youtubeに動画がありますので参照下さい 。簡単に言えば、これは気管支鏡の中に充填剤を流し込むことで、肺をつぶしてしまう処置です。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」で論文の解説やエッセイを執筆。著書は『ねころんで読める呼吸』シリーズ、『本当にあった医学論文』シリーズ、他多数。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

この記事を読んでいる人におすすめ