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Respirology誌より
特発性肺線維症に吸入NACは効果あり?

2015/03/20
倉原優

 今回紹介する論文は、特発性肺線維症Idiopathic pulmonary fibrosisIPF)の治療に関する論文です。私たち呼吸器内科医にとって、IPFはcommon diseaseの1つですが、専門外の方々にとっては稀に遭遇する難治性の間質性肺炎というイメージの疾患でしょうか。IPFには、これぞといった治療薬があまりなく、現場では歯がゆい思いをすることがよくあります。

 これまでIPFの治療には、抗炎症作用を期待してステロイドが、自己免疫を抑制するために免疫抑制剤が用いられていました。しかし、これらの治療ではいずれも生命予後を改善する効果は認められていませんでした。

 現在は、免疫抑制剤とステロイドを組み合わせることで、むしろ死亡率が高くなり、下気道感染症の頻度も増加させることが分かっています1)、2)。2015年3月時点で、肺活量低下の抑制に効果があるとされているのは、ピルフェニドン3)、4)ニンテダニブ5)です。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」を基に『ねころんで読める呼吸のすべて』(2015年)、『咳のみかた、考えかた』(2017年)などの書籍を刊行している。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する若手医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器 内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

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