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3/1、8放送 TBS系『健康カプセル!ゲンキの時間』から
ブレイク寸前!?「空回り脳」の傾向と対策

2015/03/13

 最近、『健康カプセル!ゲンキの時間』の取り上げるネタが息切れ気味だなあ、と心配していたら、急に気合の入ったテーマを掲げてきたので取り上げてみます。

 前編と後編で2週にわたって取り上げるのは「空回り脳」です。空回り脳というタームは初耳でしたので軽くググってみましたが、この番組の関連サイトしか出てきません。これまで『ゲンキの時間』で、新しい疾患名をひねり出した例はなかったと思いますが、ついに『ガッテン』ばりのキャッチーなネーミングを繰り出してきました。

 空回り脳というのは、記憶が正しく取り出せず、脳が“空回り”している状態のことのようです。具体的には、「ちょっと前に話題だった有名人の名前がとっさに思い出せず、えーっと、アノ人、何だっけ? みたいなこと」だそうです。

 この空回り脳、放置しておくと軽度認知症障害に進行することもあるそうで……。ん?どっかで聞いた話だな、と思ったら、これは前々回に取り上げた「プレクリニカルアルツハイマー」そのものですね。やっぱり流行の兆しだったんだ。

 でも、この番組では「プレクリニカルアルツハイマー」とは一切言いません。あくまで「空回り脳」で突っ走ります。まあ、どちらかと言えば「空回り脳」の方が分かりやすいので、こっちの方が流行るかもしれませんね。

 空回り脳では、認知症と同じように、記憶力、注意力、段取り力の3つが衰えてくるそうです。有名人が思い出せないというのは「記憶力」の低下のこと。さらに、複数のことを同時に行うときの「注意力」が失われ、手順を考えて実行するときの「段取り力」が衰えて来るのだそうです。また、「一人暮らしなどでコミュニケーションが不足していることも脳機能低下の原因になる」という解説がありました。

 では、どうすれば軽度認知障害への進行が抑制できるのか。というあたりが、2週目の後編で語られます。

 番組では、脳血流を高めると空回り脳を防げるということで、脳血流をアップさせる方法がいくつか紹介されました。例えば、利き手と反対で文字を書くとか、黙読ではなく音読するとか。それから、「テレビ番組にツッコミを入れる」のもいいそうです。おお、このコラムで私が健康番組にツッコミを入れてるのは、脳血流アップ→空回り脳予防につながってるってことですね。よしよし。

 続いて、スタジオでは、足踏みをしながらしりとりをするという「デュアルタスク」を紹介。全く別の行動を同時にすることで混乱して、脳が鍛えられる効果が期待できる、と。料理で火加減を気にしながら材料を切ったり、電話をしながらメモを取るといった日常生活動作でも、十分、脳のトレーニングになるということでした。

 空回り脳という新ネーミングで勝負を賭けてきた(?)ゲンキの時間。ほどほどにキャッチーで、対策も具体的で簡単にできるし、とても分かりやすい、いい番組でした。

著者プロフィール

くめ やすはる(薬剤師)●粂康晴氏。京都大学薬学部卒。大手製薬会社に20年以上勤務し、MR、研究開発、内部監査などを経験後に退社。糖質オフにこだわるレストラン「カーボオフ」を埼玉県の大宮にオープンした。

連載の紹介

くめやすはるの「健康番組タメツスガメツ」
テレビの健康番組にあおられて「私もこの病気じゃないかしら」と外来に押し寄せる患者たち。今週、テレビでどんなトンデモな健康番組が放映されたのかを、患者への説明に役立つ小ネタとともに、ご紹介します。

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