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11/2放送 テレビ朝日TBS系『駆け込みドクター!』から
駆け込みDr◆「プチ不調」に要注意、らしい

2014/11/11

 10月は、プロ野球のクライマックスシリーズが盛り上がった影響か、放送予定だった健康番組が軒並み先送りになったようです。今回は、そのうちの一つ、10月に放送されるはずが延期されて11月にオンエアになった『駆け込みドクター』を取り上げてみます。

 この『駆け込みドクター』は2時間スペシャルで、芸能人8人の人間ドックの結果をランキングして、こんな検査結果が出たら、こんな疾患に注意しましょう!という番組でした。早めに生活習慣病の芽を見つけて予防しましょう、というわけです。まあ、健康情報番組ではありがちですが、よい企画だと思います。

 見つかった異常を「血液」「脳」「プチ不調」「消化器」に分けて分析していくのですが、こちらもよくあるやり口です。あえて言えば、4分割しているところが比較的珍しいかもしれません。標準的な3部構成では、2時間が持たなかったのでしょうか。

 ……と、よく見ると、分類の一つに「プチ不調」という聞き慣れない単語があります。何でしょう。これは見逃せません。他のものは、どんな内容か容易に想像できちゃうわけですが、この「プチ不調」が何を意味するのか、興味津々です。

 番組は、「血液」「脳」と進み、「プチ不調」の順番が来ました。プチ不調の最初のネタは「毎日足がつる」です。ああ、そういう方向ですか。まあ、確かにプチ不調ですね。でも、人間ドックの結果をうんぬん、という大もとのコンセプトはどこかに行ってしまったようですね。

 2型糖尿病や閉塞性動脈硬化症でも足がつることはある、という解説が先にありましたが、この症状を訴えた芸能人は、人間ドックの結果ではそんな徴候は見られません。ああ、ここで一応は、検査結果が関係してますね。で、結果的にこの方には、水分不足や足の冷えに注意するように指導がありました。

 次の方は、頸椎ヘルニアの既往があり、頭痛、吐き気、めまいに悩んでいるとのこと。んー、また検査とは無関係ですねえ。しかも、プチ不調というより、これは明らかな不調なんじゃなかろうかと。

 そうした不調への対策として、この症状を訴える芸能人は、日常的に食べているというマヌカハニーというものを紹介します。これはニュージーランドに自生するマヌカという木の花の蜜でできたハチミツのことで、殺菌作用があるんだとかで、何やら健康によいのだそうです。軽くググってみると色々出てきますので、おそらく流行つつあるのでしょう。

 この頭痛、吐き気、めまいは、やっぱり頸椎ヘルニアが原因だと考えられるそうなんですが、番組では、似たような状態の原因として、更年期障害と「プレ更年期障害」が紹介されます。

 プレ更年期障害とは、更年期より前の年代の女性に、ストレスや自律神経の乱れによって更年期障害と同じような症状が出るものを言います。プレ更年期障害には、食事や不規則な生活の見直しが必要なのだそうです。

 続いては、耳鳴りを訴える芸能人が登場します。これまた、まさにプチ不調ですね。人間ドックとか、検査値とかはまるで関係ないですけど、もういいですね。そこは。

 ずっと症状が続いているということで、耳管機能不全の可能性があると指摘されました。前のコーナーで、このゲストは副鼻腔炎を指摘されていて、これが関係している可能性が高いとのこと。「耳鼻科に急ぎましょう」と勧められていました。

 ということで「プチ不調」というのがいったい何なのかは結局よく分からず、人間ドックとの関係もよく分からず、次の「消化器」に番組は進んでいったのでした。やっぱり「プチ不調」は、時間が余っちゃったがゆえの穴埋めだったのかしらん。

著者プロフィール

くめ やすはる(薬剤師)●粂康晴氏。京都大学薬学部卒。大手製薬会社に20年以上勤務し、MR、研究開発、内部監査などを経験後に退社。糖質オフにこだわるレストラン「カーボオフ」を埼玉県の大宮にオープンした。

連載の紹介

くめやすはるの「健康番組タメツスガメツ」
テレビの健康番組にあおられて「私もこの病気じゃないかしら」と外来に押し寄せる患者たち。今週、テレビでどんなトンデモな健康番組が放映されたのかを、患者への説明に役立つ小ネタとともに、ご紹介します。

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