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業績賞与は札束で支払います

2014/06/04

 今回から月1回のペースでコラムの執筆を請け負った。編集部からは6回くらいは連載を続けてほしいとのこと。果たしてネタが続くのか心配ではあるがお引き受けした。

 私は年齢55歳。兵庫県赤穂市(赤穂中央病院)をスタートに、M&Aにて兵庫県の明石市、姫路市、神河町、大阪市此花区、東京都墨田区に進出し、医療介護グループを経営している。東京では墨田区の白鬚橋病院、大阪では大阪市此花区の大阪暁明館病院の経営を引き継いだ。

 本来は外科医だが、メスを置いてもうすぐ10年となる。今年の夏、私が最後に手術した3人の乳癌患者さんが術後10年を迎え、フォローアップを終了する。今後の仕事は経営管理の他は外来、当直、訪問診察、産業医、介護施設の回診ぐらいで、外科医としてはセミ・リタイヤの様な働き方となる。寂しくなるが自分の選んだ道である。

 我々の経営理念としてとりわけ大切にしているのが、「平等医療」。医療介護という社会のセーフティネットを地域に築き上げ、全ての人々が安心して生活し、社会の安定を守ることを目標にしてきた。

 赤穂中央病院、大阪暁明館病院、白鬚橋病院はいずれも、高所得者層が多い土地柄ではないという共通点がある。そんな街で市民病院的な役割を果たすのが我々の基本的なスタイルであり、強みでもあると考えている。

経常利益10%を超えた分を職員に現金で分配
 さて、編集部から頂いた連載第1回のお題は「業績賞与は札束で支払います」。なんだか刺激的すぎるような気もするが、キャッチとしては面白いのでこのまま行くことにした。

 我々のグループは余剰利益を職員に分配するシステムを取って15年になる。経常利益10%を超えた場合に余剰利益として扱い、その20%を「臨時賞与」として職員全員に均等に配分するシステムである。グループを兵庫県、大阪、東京の3カ所に分け、各々のグループで全員同額としている。臨時賞与は毎年5月、年度決算が終了した時点で支給する。

 今年の臨時賞与は兵庫県のグループが1人当たり22万1000円、東京のグループが6万6千円だったが、大阪のグループは経常利益率が10%に達しなかったので支給できなかった。

 臨時賞与は施設ごとに細かく計算するのではなく、地域連携、人事交流のある単位で大括りに支給している。その理由の第一は各施設、各職員には常に、施設単位ではなく「グループ最適」を追求してもらいたいがためだ。たとえ自己の職場が高い業績を上げても、その業績がグループの最大利益に結びつかない働き方では臨時賞与額は増えないシステムとしている。

 第二の理由は、医療介護業界では業態によって利益率に差があるため、その不公平感をなくす必要があるからである。そうでなければ施設間の人事異動もできなくなる。

著者プロフィール

古城資久(医療法人伯鳳会 赤穂中央病院代表者、理事長)〇こじょうもとひさ氏1958年岡山県生まれ。84年日大医学部卒業後、岡山大第2外科に入局。93年赤穂中央病院勤務、2001年伯鳳会理事長。大阪暁明館病院、東京の白鬚橋病院などの経営を継承し、グループの総ベッド数は1115床に。趣味はベンチプレスで、世界マスターズベンチプレス選手権で4回優勝し、世界新記録を1度樹立している。

連載の紹介

赤穂の風雲児 古城資久の急性期病院血風録
兵庫県の赤穂中央病院(265床)を拠点に、大阪府や東京都内でも医療・介護事業を拡大してきた伯鳳会グループ。その事業展開に加え病院運営面の改革でも注目を集めている理事長の古城資久氏が、自らの取り組みのほか、制度改革の荒波に揉まれる急性期病院の「今後」について語ります。

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