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第26回 医師や治療に過度な期待を抱く患者にかける言葉
応えられない患者の期待に医師はどう向き合うか

2021/12/07
岸見 一郎

(イラスト:田渕正敏)

 患者は自分の身体や心に何か異変や不調を感じた時に医療機関を受診します。救急車で搬送されるような緊急の場合でなければ、できることなら「病院に行かずこのままよくなりたい」と思うものです。

 ところが、いよいよ痛みが増すなどして我慢できなくなれば、それまでは「受診しないですむ理由」を探していた人でも、受診しないわけにはいかなくなります。その際、誰もがよくなりたいと思うでしょう。

 医師にとっての問題は、患者や家族の期待度が、医師が考える治療のレベルを越えてしまう場合があることです。患者が完治すること、しかもできるだけ早く完治することを望んでも、現実的には難しいことがあります。それどころか、死に至る可能性があるという場面もあり得ます。

 このように、医師や治療に過度な期待を抱いている患者とどう向き合い、どう説明すればいいか考えてみましょう。

著者プロフィール

1956年京都生まれ。1987年京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門である西洋古代哲学と並行して、アドラー心理学を研究。2013年に古賀史健氏との共著で刊行した『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)は、200万部を超えるベストセラーに。精力的に執筆・講演活動を行っており、著書に『アドラー心理学入門』『幸せになる勇気』など多数。

連載の紹介

岸見一郎の「患者と共に歩む心構え」
こんな時、患者にどう向き合えばよいのか。患者の思いをどのように受け止め、どんな言葉を掛けるのか──。日常診療の中で直面する様々な場面において、対等な人間として患者と「共に歩む」ための心構えを、哲学者でありアドラー心理学を解説したベストセラー『嫌われる勇気』の著者である岸見一郎氏が、医療機関でのカウンセラーとしての経歴や、心筋梗塞治療を受けた患者としての経験なども交えつつ解きほぐしていきます。

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