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第24回 コロナ禍での「燃え尽き」の中で患者と向き合うために
バーンアウトに陥る前に医療者が意識すべきこと

2021/10/14
岸見 一郎

(イラスト:田渕正敏)

 長引くコロナ禍に対応してきた医療者の中で、バーンアウト(燃え尽き症候群)に陥る例が多発しているという報告があります。特に感染拡大期においては、いつ感染が収束するかという見通しも立たない。治療が必ず功を奏するわけではなく、どれほど頑張っても患者は減らない。そうなると、無力感や徒労感に襲われ、仕事や生きることに対する意欲を失うことになっても不思議ではありません。

 今回は、そこまで深刻な事態に至らなくても、今の状況に無力感や憤りを覚え、診療に対する意欲を多少なりとも削がれている医師が、診察時にどのような思いと態度で患者と向き合えばいいか考えてみます。

著者プロフィール

1956年京都生まれ。1987年京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門である西洋古代哲学と並行して、アドラー心理学を研究。2013年に古賀史健氏との共著で刊行した『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)は、200万部を超えるベストセラーに。精力的に執筆・講演活動を行っており、著書に『アドラー心理学入門』『幸せになる勇気』など多数。

連載の紹介

岸見一郎の「患者と共に歩む心構え」
こんな時、患者にどう向き合えばよいのか。患者の思いをどのように受け止め、どんな言葉を掛けるのか──。日常診療の中で直面する様々な場面において、対等な人間として患者と「共に歩む」ための心構えを、哲学者でありアドラー心理学を解説したベストセラー『嫌われる勇気』の著者である岸見一郎氏が、医療機関でのカウンセラーとしての経歴や、心筋梗塞治療を受けた患者としての経験なども交えつつ解きほぐしていきます。

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