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第20回 患者の希望と家族の希望が一致しない場面
患者と家族の意向が異なる時、医師にできること

2021/06/08
岸見 一郎

 治療方針を決定するにあたって、本人と家族の考えが一致しないことがあります。今回はこのような場合、どう対処すればいいか考えてみましょう。

 受診した時、患者や家族がまず知りたいのは、罹患している病気がどんなものなのか、治癒するのかどうか、治癒するのであればどんな治療ができるのかということです。その際、よくなることが保証されて先の見通しが立つのであれば、たとえ苦痛を伴う治療であっても、また家族の立場では、看病のために家事や仕事をいくらか犠牲にしなければならないとしても、医師の提示する治療方針を受け入れることはそれほど困難ではないでしょう。

著者プロフィール

1956年京都生まれ。1987年京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門である西洋古代哲学と並行して、アドラー心理学を研究。2013年に古賀史健氏との共著で刊行した『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)は、200万部を超えるベストセラーに。精力的に執筆・講演活動を行っており、著書に『アドラー心理学入門』『幸せになる勇気』など多数。

連載の紹介

岸見一郎の「患者と共に歩む心構え」
こんな時、患者にどう向き合えばよいのか。患者の思いをどのように受け止め、どんな言葉を掛けるのか──。日常診療の中で直面する様々な場面において、対等な人間として患者と「共に歩む」ための心構えを、哲学者でありアドラー心理学を解説したベストセラー『嫌われる勇気』の著者である岸見一郎氏が、医療機関でのカウンセラーとしての経歴や、心筋梗塞治療を受けた患者としての経験なども交えつつ解きほぐしていきます。

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