日経メディカルのロゴ画像

第17回 医師と患者の正しい距離感
医師は患者とどこまで親しくなっていいのか

2021/03/09
岸見 一郎

 今回は医師と患者の正しい距離感について考えてみます。

 対人関係は三つあります。仕事の関係、交友の関係、愛の関係です。三つ目の愛の関係には、パートナーとの関係と家族関係を含みます。関係の近さと持続性によって、仕事、交友、愛の関係の順に関係は難しくなります。

 仕事の同僚と友人になる必要はありません。たとえ同僚が人間的にどうかと思うような人であったとしても、職場を後にすれば、その人のことで心を煩わされる必要はないのです。

 職場の同僚と気があって、仕事以外での場面でも時々会って話をするようになれば、それは交友の関係です。さらに親しくなって結婚しようという人が現れれば、その人との関係は愛の関係です。

著者プロフィール

岸見 一郎●きしみ いちろう氏。1956年京都生まれ、京都在住。1987年京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門である西洋古代哲学と並行して、アドラー心理学を研究。2013年に古賀史健氏との共著で刊行した『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)は、200万部に迫るベストセラーに。精力的に執筆・講演活動を行っており、著書に『アドラー心理学入門』『幸せになる勇気』など多数。

連載の紹介

岸見一郎の「患者と共に歩む心構え」
こんな時、患者にどう向き合えばよいのか。患者の思いをどのように受け止め、どんな言葉を掛けるのか――。日常診療の中で直面する様々な場面において、対等な人間として患者と「共に歩む」ための心構えを、哲学者でありアドラー心理学を解説したベストセラー『嫌われる勇気』の著者である岸見一郎氏が、医療機関でのカウンセラーとしての経歴や、心筋梗塞治療を受けた患者としての経験なども交えつつ解きほぐしていきます。

この記事を読んでいる人におすすめ