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第8回 患者の感じる「不条理」についての対話
病気でできなくなることを嘆く患者とどう話すか

2020/06/09
岸見 一郎

 患者の立場からいえば、医師が病気について知識があるのは当然のことなので、もしも医師を選ぶことができるのであれば、それだけを基準に選ぶことはないでしょう。病気や怪我で受診し、一度で事が済むのであれば医師に多くは期待しませんが、医師の診察を長く受けることになれば、信頼できる医師の診察を受けたいと患者が思うのは当然のことです。

 医師がどれほど「いい」人であっても、知識も技術もない医師では信頼できません。この連載の初回に、医師も患者も語らなさすぎであり、医師と患者の間に対話が成立して「一線」を超えられたら、医師と患者は信頼し合えると池田晶子がいっていることに言及しました。では、どんなことについての対話がなされたら、信頼し合える関係になるのか。

著者プロフィール

岸見 一郎●きしみ いちろう氏。1956年京都生まれ、京都在住。1987年京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門である西洋古代哲学と並行して、アドラー心理学を研究。2013年に古賀史健氏との共著で刊行した『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)は、200万部に迫るベストセラーに。精力的に執筆・講演活動を行っており、著書に『アドラー心理学入門』『幸せになる勇気』など多数。

連載の紹介

岸見一郎の「患者と共に歩む心構え」
こんな時、患者にどう向き合えばよいのか。患者の思いをどのように受け止め、どんな言葉を掛けるのか――。日常診療の中で直面する様々な場面において、対等な人間として患者と「共に歩む」ための心構えを、哲学者でありアドラー心理学を解説したベストセラー『嫌われる勇気』の著者である岸見一郎氏が、医療機関でのカウンセラーとしての経歴や、心筋梗塞治療を受けた患者としての経験なども交えつつ解きほぐしていきます。

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