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第6回 「治療の自己決定なんてできない!」という患者にどう向き合うか
治療の自己決定は患者にとって「生と死の投機」

2020/04/07
岸見 一郎

 現在は、どんな治療を受けるかを患者自身が自分で納得して決める「自己決定権」が尊重されるようになっています。そのため、病気とその治療方法について医師から十分説明を受けた上で、最終的な判断や同意は患者自身が行うというインフォームドコンセントは、多くの医療現場で行われています。

 とはいえ、どんな治療を受けるかを──いかなる治療も受けないという選択肢もあるでしょう──患者が自分で十分納得し、確信を持って決められるかといえば、とても決められないといっても過言ではありません。

 医師は十分に説明したのだから、後は患者が自分で決めるだけと思うかもしれませんが、それほど話は簡単ではありません。実際、「治療の自己決定などできない」と訴える患者もいるはずです。そのような患者にどう向き合えばいいか考えておかなければなりません。

著者プロフィール

岸見 一郎●きしみ いちろう氏。1956年京都生まれ、京都在住。1987年京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門である西洋古代哲学と並行して、アドラー心理学を研究。2013年に古賀史健氏との共著で刊行した『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)は、200万部に迫るベストセラーに。精力的に執筆・講演活動を行っており、著書に『アドラー心理学入門』『幸せになる勇気』など多数。

連載の紹介

岸見一郎の「患者と共に歩む心構え」
こんな時、患者にどう向き合えばよいのか。患者の思いをどのように受け止め、どんな言葉を掛けるのか――。日常診療の中で直面する様々な場面において、対等な人間として患者と「共に歩む」ための心構えを、哲学者でありアドラー心理学を解説したベストセラー『嫌われる勇気』の著者である岸見一郎氏が、医療機関でのカウンセラーとしての経歴や、心筋梗塞治療を受けた患者としての経験なども交えつつ解きほぐしていきます。

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