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「突然発症の腹痛」の基本、3つの鑑別ポイントを忘れずに

2021/06/07
木川 英(川越救急クリニック)

 東京都など9都道府県では、規制が何とも中途半端な緊急事態宣言が6月20日まで延長されましたが、新型コロナウイルスの感染者数はそれほど減らないという状況が続いています。 7月下旬までに感染状況が大きく改善するとは思えない中で、東京オリンピック・パラリンピックを無理に開催して、今以上に深刻な状況を招くのではないかと懸念しています。

 ただ、ようやく新型コロナウイルスのワクチン接種が進み始めたことで、こんな状況下にもわずかな希望が見えてきました。私は、4月下旬にワクチンの1回目接種を、5月中旬に2回目の接種を受けました。

 1回目の後は、接種を受けた左上肢にしびれを感じ、翌日まで続きました。その後は、接種部位周囲の疼痛があり、3日目には鼻汁や咳嗽といった上気道症状が出ましたが、5日くらい経過して全ての症状が治まりました。2回目の接種後には副反応が出やすいと聞いていたので、2回目は1回目以上に不調になるのを覚悟していました。しかし、予想に反して、2回目接種の翌日に疼痛と倦怠感があっただけで、3日目には無症状になりました。

 実際のところ、このような経過はまだ楽な方で、救クリの看護師の中には接種後に発熱があり、その他に頭痛や倦怠感を訴えた人も多くいました。接種後の数日間は、いつも通りのパフォーマンスでの仕事はできないものと考えておいた方が良さそうです。

 救クリのスタッフが大方ワクチン接種を終えられたとはいえ、受診する患者にはまだまだワクチンが行き渡っていませんから、依然として感染の可能性を意識しながらの診療が続いています。そんな中でも、コロナ禍以前からの「救急の基本」も決して忘れず診療に当たらなければならない、と思わされる症例を経験しましたのでご紹介します。


著者プロフィール

木川英(川越救急クリニック副院長)●きがわ あきら氏。2005年東海大学医学部卒。茅ケ崎徳洲会総合病院(現:湘南藤沢徳洲会病院)初期研修医を経て、08年救急医を志し八戸市立市民病院救命救急センターに勤務。13年から現職。

連載の紹介

木川英の「救急クリニック24時」
全国有数の”救急過疎地”サイタマに開業した救急専門の診療所に助っ人としてやって来た木川氏が、現場で感じた地域医療の問題、患者側の問題、医療経営の問題等々を綴ることで医療界に一石を投じる。

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