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消化器症状が前面に出た心筋梗塞から学んだ教訓

2018/12/19
木川 英(川越救急クリニック)

 師走に入り、暖かい日が続くなあと思ったら、ここに来て強烈な寒波襲来。これも夏の酷暑に続く異常気象なんでしょうか。このまま寒い日が続くと、インフルエンザの流行とともに年末年始を迎えることになるかもしれません(正月は休めそうにないな)。

 今年も色々とありましたが、本年最後の記事としましては、印象に残った症例を提示したいと思います(もちろん、個人を特定できないように多少の修正を入れていることをご了承ください)。

 症例は高血圧の既往があって、降圧薬内服中の70歳代の男性です。

 その日の朝に腹痛があり、げっぷもあるということで午前中に近くの消化器内科を受診されました。腹痛は心窩部痛で、胸焼けのような症状もあったようなので、上部消化管内視鏡検査を受け逆流性食道炎との診断で、夕方にプロトンポンプ阻害薬を処方されて帰宅となりました。

 しかし帰宅後も調子が悪く、自宅の居間で休んでいたそうです。夜間になり息子さんが帰宅されたときには、ぐったりして反応がなく、救急要請されました。

救急隊 70歳代男性の心肺停止状態です。心静止です。いつ心静止になったかは分かりませんが、夕方までは反応があったと奥様が言っています。

木川 分かりました。蘇生措置を続けてください。

 搬入後に治療と並行して行った心臓超音波検査では心タンポナーデが認められた。血液検査では、CK、CK-MB、白血球数の高度上昇、AST/ALTの上昇、トロポニンT陽性など、心筋梗塞を疑うデータが散見された。CT検査を施行した結果、やはり心タンポナーデが認められた(下図)。

著者プロフィール

木川英(川越救急クリニック副院長)●きがわ あきら氏。2005年東海大学医学部卒。茅ケ崎徳洲会総合病院(現:湘南藤沢徳洲会病院)初期研修医を経て、08年救急医を志し八戸市立市民病院救命救急センターに勤務。13年から現職。

連載の紹介

木川英の「救急クリニック24時」
全国有数の”救急過疎地”サイタマに開業した救急専門の診療所に助っ人としてやって来た木川氏が、現場で感じた地域医療の問題、患者側の問題、医療経営の問題等々を綴ることで医療界に一石を投じる。

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