今年もあっという間に3月ですね。年度末ということもあり、4月から心機一転、頑張ろうと思っている方や新生活が始まる方も多いのではないでしょうか。
ところで、いまだにインフルエンザがはやっていますね。
かくいう私も先日悪寒、発熱、咽頭痛、鼻汁がありまして、「こりゃ、ついにインフルエンザにかかったな」と思い、12時間以上待ってインフルエンザ迅速検査を行いましたが、陰性でした。未遂で終わって良かったと思いましたが、今回は救クリの診療の柱でもあるインフルエンザ診療の在り方について周りの声を踏まえつつ論じたいと思います。
千葉市の夜間応急診療で、インフルエンザ簡易迅速検査を原則中止したことがニュースになりました。状況的にインフルエンザなのに、迅速検査をして「陰性」と出ることは多々あります。陰性と出ても、「状況的に」インフルエンザだから、抗インフルエンザ薬を使いましょうという場面もあると思われます。それならば、いっそのこと、検査しない宣言をして医師がインフルエンザと判断したら抗インフルエンザ薬を処方するという結論になったのだろうと推察されます。
問診の段階で、インフルエンザで学級閉鎖になっている、職場で何人も罹患している、などの状況が分かれば検査なしにインフルエンザと判断するのは極めて妥当だと思います。
もちろん、インフルエンザなんて単なる名前の付いている「かぜ」なんだから、かぜごときでわざわざ夜間救急外来を受診するのはいかがなものかという声もありそうですが、世間一般のインフルエンザに対する印象と、インフルエンザ診療に携わっている医療者のそれとは大きなギャップがあります。
茅ケ崎徳洲会総合病院(現:湘南藤沢徳洲会病院)初期研修時代のかつての戦友(あえてこう呼ばせていただきます)で現在、ベトナム・ハノイ市のVINMEC INTERNATIONAL HOSPITALに勤務中の野田一成医師のSNSで以下のような書き込みがありました。
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著者プロフィール
木川英(川越救急クリニック副院長)●きがわ あきら氏。2005年東海大学医学部卒。茅ケ崎徳洲会総合病院(現:湘南藤沢徳洲会病院)初期研修医を経て、08年救急医を志し八戸市立市民病院救命救急センターに勤務。13年から現職。

連載の紹介
木川英の「救急クリニック24時」
全国有数の”救急過疎地”サイタマに開業した救急専門の診療所に助っ人としてやって来た木川氏が、現場で感じた地域医療の問題、患者側の問題、医療経営の問題等々を綴ることで医療界に一石を投じる。
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