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第59回 アルツハイマー型認知症の薬物療法を再考する(6)
妄想を示すアルツハイマー型への薬物療法のコツ

2015/12/04

 家族や介護施設からしばしば相談を受ける周辺症状の1つは、妄想、とくに物盗られ妄想です。筆者の開設する物忘れ外来では、アルツハイマー型認知症の3割に物盗られ妄想が出現しています(図1)。物盗られ妄想や浮気妄想、被害妄想だけならば、家族や周囲の人々は傾聴しながらなんとか対応することが可能かもしれません。しかし、物盗られ妄想に支配され、犯人と思い込んでいる家族や周囲の人々に暴力を振るい、さらには刃物を振り回すような事態に進展すると、非薬物療法だけでの対応は困難になることが多いと思います。

 妄想への有効性を期待できる薬剤は、抗認知症薬のメマンチンか抗精神病薬かと思います。後者に関しては、保険適応外であることや、死亡率を増加させるという報告があること、多彩な副作用が出現する可能性が高いことなどの理由でなかなか処方するに至らないのが実情かと思います。今回は、妄想のある患者さんが外来を受診したときの薬剤の選択を考えていきます。

著者プロフィール

川畑信也(八千代病院〔愛知県安城市〕神経内科部長)●かわばた のぶや氏。1979年昭和大医学部卒。国立循環器病センター、秋田県立脳血管研究センター、成田記念病院〔愛知県豊橋市〕を経て2008年より現職。愛知県認知症疾患医療センターセンター長も兼任。

連載の紹介

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2020年、患者数が325万人に達するといわれる認知症。患者数の増加に伴い、認知症の診療におけるプライマリケア医の役割が大きくなっています。著者が遭遇した実際の症例を紹介しながら、認知症診療の「いろは」を解説します。
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 Q&Aの数は全部で65個。どこから読んでも理解できるよう、1つのQ&Aだけで解説が完結する形に再編集しました。ぜひ日常診療にご活用ください。(川畑信也著、日経BP社、4644円税込み)

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