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第16回 周辺症状に対する抗てんかん薬の処方手順と注意点
認知症診療で抗てんかん薬を使いこなそう

2014/02/21

 抗てんかん薬は、易怒性や興奮に代表される感情障害の安定化を期待できる薬剤群です。同様の薬効を期待できる抗精神病薬の使用を躊躇される先生方は、抗てんかん薬を使用されるとよいかもしれません。ただし、幻覚や妄想に対して抗てんかん薬は効果を期待できませんので注意してください。

 抗てんかん薬の中でどれを選択するかは難しいのですが、私は主としてカルバマゼピンあるいはバルプロ酸を使用するようにしています。また、私自身は使用経験がないのですが、2013年に発売されたプレガバリン(商品名:リリカ)も認知症でみられる周辺症状に有効な可能性が期待されています。プレガバリンについては、私の使用経験を述べることはできませんが、使用法や注意点などについて解説します。

カルバマゼピン(商品名:テグレトール他)の処方手順
 カルバマゼピンを使用する際には、添付文書に記載された処方量(1日量として200~400mg)から開始すると傾眠やふらつきなどの有害事象が出やすいようです。そのため、高齢認知症患者さんに使用するときには、細粒で50mgあるいは100mgを初期量とするとよいでしょう(図1)。
 増量する際も1~2週ごとに50mgから100mgずつを原則とします。

 1日最大量は200mgから300mg前後が妥当かと思います。この用量で効果がみられないときには、それ以上増量してもカルバマゼピンによる改善は期待できないことが多いことから、多剤への変更を考慮するとよいでしょう。

著者プロフィール

川畑信也(八千代病院〔愛知県安城市〕神経内科部長)●かわばた のぶや氏。1979年昭和大医学部卒。国立循環器病センター、秋田県立脳血管研究センター、成田記念病院〔愛知県豊橋市〕を経て2008年より現職。愛知県認知症疾患医療センターセンター長も兼任。

連載の紹介

プライマリケア医のための認知症診療講座
2020年、患者数が325万人に達するといわれる認知症。患者数の増加に伴い、認知症の診療におけるプライマリケア医の役割が大きくなっています。著者が遭遇した実際の症例を紹介しながら、認知症診療の「いろは」を解説します。
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 Q&Aの数は全部で65個。どこから読んでも理解できるよう、1つのQ&Aだけで解説が完結する形に再編集しました。ぜひ日常診療にご活用ください。(川畑信也著、日経BP社、4644円税込み)

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