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第11回 問診や検査以外で認知症を判断する手掛かり
診察室での患者さんの様子から分かること

2013/11/15

 今回は、認知症に関する教科書ではほとんど触れられていない、認知症を判断するコツについて考えてみたいと思います。通常の診察では、患者さんは名前を呼ばれて、待合室から診察室に入ってきます。そして、先生方の前の椅子に座って診察を受けることになります。

 その一連の流れの中から、認知症を判断するためのヒントがいくつか見て取れます。患者さんが診察室に入ってくる際の歩行の様子、椅子に座るときの様子、さらに診察全体から受ける患者さんの印象などがそれです。今回は、これらのヒントに注目して、認知症をどう判断するか考えていきましょう。

患者さんの歩行の様子に着目する
 患者さんが先生方の診察室に入ってくる際、歩行の様子を観察すると、認知症の判断の手助けになる場合があります(図1)。高齢にもかかわらず元気に歩行、すなわち、しっかりした足取りで入室してくる場合には、アルツハイマー型認知症の可能性を考えます。なぜならばアルツハイマー型認知症では、病状が高度に進行しない限り、首から下の症状が出現しないからです。

著者プロフィール

川畑信也(八千代病院〔愛知県安城市〕神経内科部長)●かわばた のぶや氏。1979年昭和大医学部卒。国立循環器病センター、秋田県立脳血管研究センター、成田記念病院〔愛知県豊橋市〕を経て2008年より現職。愛知県認知症疾患医療センターセンター長も兼任。

連載の紹介

プライマリケア医のための認知症診療講座
2020年、患者数が325万人に達するといわれる認知症。患者数の増加に伴い、認知症の診療におけるプライマリケア医の役割が大きくなっています。著者が遭遇した実際の症例を紹介しながら、認知症診療の「いろは」を解説します。
この連載が本になりました!
『プライマリ・ケア医のための 認知症診療入門』
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 2013年5月から連載を開始した「プライマリケア医のための認知症診療講座」がこのたび書籍化されました。2016年2月末までに掲載された記事を「診断編」「治療と介護編」「周辺症状編」に分類。さらには、日常診療で感じた疑問をすぐに解消できるよう、Q&A形式で再構成しました。
 Q&Aの数は全部で65個。どこから読んでも理解できるよう、1つのQ&Aだけで解説が完結する形に再編集しました。ぜひ日常診療にご活用ください。(川畑信也著、日経BP社、4644円税込み)

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