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第10回 認知症診療における頻出症例
認知症か加齢による物忘れか迷ったら…

2013/10/25

 物忘れを主訴に受診した患者さんの診療においては、その症状が、アルツハイマー型認知症の部分症状として見られる病的なものなのか、あるいは、年齢に伴う心配いらない物忘れ(生理的な物忘れ)なのかの判別に悩むことが多いのではないでしょうか?

心配いらない物忘れの鑑別ポイント
 認知症診療では早期発見、早期治療が重要と言われていますが、実は早期の段階でアルツハイマー型認知症を判断することは予想外に難しいのです。なぜならば、早期アルツハイマー型認知症と年齢に伴う心配いらない物忘れは、症状が重なり合うことが多いからです。

 ある患者さんについて、迷子になることが多かったり、徘徊が見られたり、頻繁に物盗られ妄想の訴えがあるといった情報が得られるならば、アルツハイマー型認知症と判断するのは難しくはないでしょう。問題は、物忘れの訴えだけが見られる患者さんの診断です。この患者さんが既にアルツハイマー型認知症に進展しているのか、年齢に伴う心配いらない物忘れなのかの判断を、我々医師は迫られることになります。表1は、アルツハイマー型認知症で見られる物忘れと年齢に伴う心配いらない物忘れの鑑別点を示したものです。

著者プロフィール

川畑信也(八千代病院〔愛知県安城市〕神経内科部長)●かわばた のぶや氏。1979年昭和大医学部卒。国立循環器病センター、秋田県立脳血管研究センター、成田記念病院〔愛知県豊橋市〕を経て2008年より現職。愛知県認知症疾患医療センターセンター長も兼任。

連載の紹介

プライマリケア医のための認知症診療講座
2020年、患者数が325万人に達するといわれる認知症。患者数の増加に伴い、認知症の診療におけるプライマリケア医の役割が大きくなっています。著者が遭遇した実際の症例を紹介しながら、認知症診療の「いろは」を解説します。
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 Q&Aの数は全部で65個。どこから読んでも理解できるよう、1つのQ&Aだけで解説が完結する形に再編集しました。ぜひ日常診療にご活用ください。(川畑信也著、日経BP社、4644円税込み)

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