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第8回 治療可能な認知症を見分けるコツ―その2―
認知症に類似する疾患を侮るなかれ!

2013/09/27

 前回に引き続いて今回も、治療可能な認知症あるいは、認知症に類似する疾患(以下、両者を合わせて治療可能な認知症と表記)の見分け方について、考えていきましょう。

 物忘れを主訴とする患者さんに対しては、治療可能な認知症の中で遭遇する機会が高いものをいくつか考えながら、診療を進めるようにします。具体的にはうつ・抑うつ状態あるいは認知症を伴わない幻覚・妄想、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、脳梗塞などを頭の隅に置きながら鑑別を進めていきます。
 
認知症を伴わない妄想や幻覚を鑑別するポイント
 家族や周囲の人々が、「妄想や幻覚が見られるから、認知症ではないだろうか」と疑って、外来に患者さんを連れてくることは少なくありません。そうした事例では、認知症に進展した結果として妄想や幻覚を呈していることが多いのですが、ごく少数で認知症の診断基準には合致しないけれども、妄想や幻覚のみが活発な患者さんが見られます。

 これは、認知症を伴わない幻覚・妄想と呼ぶべき病態です。「妄想や幻覚が見られる=認知症」と短絡的に考えず、認知症を伴わない幻覚・妄想といった病態もまれながら存在することを忘れないようにしてください。

著者プロフィール

川畑信也(八千代病院〔愛知県安城市〕神経内科部長)●かわばた のぶや氏。1979年昭和大医学部卒。国立循環器病センター、秋田県立脳血管研究センター、成田記念病院〔愛知県豊橋市〕を経て2008年より現職。愛知県認知症疾患医療センターセンター長も兼任。

連載の紹介

プライマリケア医のための認知症診療講座
2020年、患者数が325万人に達するといわれる認知症。患者数の増加に伴い、認知症の診療におけるプライマリケア医の役割が大きくなっています。著者が遭遇した実際の症例を紹介しながら、認知症診療の「いろは」を解説します。
この連載が本になりました!
『プライマリ・ケア医のための 認知症診療入門』
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 2013年5月から連載を開始した「プライマリケア医のための認知症診療講座」がこのたび書籍化されました。2016年2月末までに掲載された記事を「診断編」「治療と介護編」「周辺症状編」に分類。さらには、日常診療で感じた疑問をすぐに解消できるよう、Q&A形式で再構成しました。
 Q&Aの数は全部で65個。どこから読んでも理解できるよう、1つのQ&Aだけで解説が完結する形に再編集しました。ぜひ日常診療にご活用ください。(川畑信也著、日経BP社、4644円税込み)

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