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テナントビルのオーナー交代で窮地に

2022/06/20
小畑 吉弘(日本医業総研)

イラスト:庄原 嘉子

 診療所の開業から、間もなく10年になるA医師。患者数はここまで順調に増え、開業当初の借金も順調に返済してきました。

 A医師が開業しているテナントは、3年の定期借家契約で、これまで3回契約を巻き直して事業を継続してきました。しかし、ここへ来てテナントビルのオーナーが交代。次の新しい契約は締結しない可能性があるとの通知が届きました。
 
 開業当初の借金がまだ残っており、患者さんも今の場所が通いやすいと定着してくれています。何とかここで事業を継続したいとのことで、A医師は新しいオーナーに問い合わせをし、直接会って状況を確認することに。後日、新オーナーに意向を聞いたところ、(1)建物が古くなっており、今後大規模修繕が必要になる可能性が高い、(2)現時点でも維持費が相当かかっている──ことから、建て替えを考えているとのことでした。

 オーナーの意向は理解はできますが、また新しく別の場所を探して診療所を開設するのは、精神的にも経済的にも相当な負担となります。A医師は新オーナーに、事業を継続できる期間を少しでも長くしてもらえないかと伝え、その日の話し合いを終えました。

著者プロフィール

日本医業総研●医院・診療所の開業コンサルティング企業。関西地方を中心に、220件以上の開業支援実績がある。関西および関東でクリニックモールの企画・開発も積極展開している。

連載の紹介

開業の落とし穴
開業は一生の一大事。一方で、診療所の経営環境は悪化の一途をたどっています。開業地の選定や資金調達など、軌道に乗るまでに潜むさまざまな落とし穴を、過去に開業されたドクターの事例を基に紹介します。

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