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【第43回 高齢者施設との契約】
特養スタッフからコール殺到の大誤算

2014/04/23
柳 尚信

 A医師は、翌月に迫った開業の準備で連日大忙し。医療機器メーカーや医薬品卸業者、引き渡し前の内装業者との打ち合せも分刻みで、時間に追われて休む暇もない状態です。そんな中、今日は以前から提携を依頼されていた介護施設との打ち合わせに出向きました。

 車で約30分の場所にあるその施設は、特別養護老人ホーム(30床)にグループホーム(定員9人×2ユニット)が併設。特養では非常勤の「配置医」、グループホームでは提携医療機関として、入所者の健康管理などを行ってほしいと相談されたのです。開業当初は外来患者も多くないため、積極的に往診なども手掛けたいと考えていたA医師にとって、このオファーは大変ありがたいものでした。

 地域のニーズにもかなっているこの施設は、オープン当初からフル稼働の状態で、「これだけの入所者がいれば、クリニックの家賃と人件費くらいは十分に賄えるだろう」とA医師はご満悦の様子。施設長や現場で働く看護師、介護スタッフとの顔合わせもそこそこに、早速入所者の状態を確認し始めました。

著者プロフィール

日本医業総研●医院・診療所の開業コンサルティング企業。関西地方を中心に、220件以上の開業支援実績がある。関西および関東でクリニックモールの企画・開発も積極展開している。

連載の紹介

開業の落とし穴
開業は一生の一大事。一方で、診療所の経営環境は悪化の一途をたどっています。開業地の選定や資金調達など、軌道に乗るまでに潜むさまざまな落とし穴を、過去に開業されたドクターの事例を基に紹介します。

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