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【連載第12回】
3年後の鼻アレルギー治療

2007/04/23

研修医P:「今後の鼻アレルギー治療はどのように変わっていくのでしょうか」
指導医O:「そうですね、はるか将来の鼻アレルギー治療はさて置いて、ここ2~3年でどのように変わるか、一緒に考えてみましょう」

研修医P:「はい。鼻アレルギー治療を大きく変えたステロイド薬は、今後どうなるのでしょう。現在は、フルナーゼなど1日2回噴霧が主流ですよね」
指導医O:「鼻噴霧用ステロイド薬が発売されたころは、ベコナーゼなど1日4回の噴霧でしたが、現在は1日2回です。鼻アレルギー反応は、鼻粘膜の表面で起きているので、鼻噴霧用ステロイド薬をなるべく鼻粘膜の表面にとどまらせることが、今後の目標です」

1日1回の噴霧用ステロイド薬が登場すると...
指導医O:「日本でも治験が終了しましたが、新しい鼻噴霧用ステロイド薬は、さらに局所に長く留まるよう改良されて、1日1回噴霧で済むようになります。また世界の流れから、1ボトルが1カ月分となるでしょう」
研修医P:「それに伴って、花粉症では1カ月処方が定着するのでしょうか」
指導医O:「噴霧用ステロイド薬が1カ月になれば、併用薬の抗ヒスタミン薬などもそうなると思います」
研修医P:「これまでの鼻噴霧用ステロイド薬はどうなるのでしょう」
指導医O:「もう既に実感していると思いますが、ジェネリック薬が増えていくでしょうね。また、従来の鼻噴霧用ステロイド薬がOTCとして、街の薬局で売られるようになります。当然、安全のために、添付文書では1日の使用量が少な目に記載されるでしょうね」
研修医P:「患者さんは有効率90%近い薬を、街の薬局で自由に買うことができるようになるのですか」
指導医O:「そうですね。添付文書をしっかり読んで正しく使用すれば、軽症、および中等症の患者さんの一部は、病院を受診する必要はなくなります。患者さんは鼻アレルギーガイドラインを片手に、自分の重症度を判断し、それに必要な薬はすべて処方箋なしで街の薬局から手に入れることができるようになるでしょう」
研修医P:「ということは、医療機関では、難治性または重症以上の花粉症患者を中心に診療することになるのですね」


著者プロフィール

大西正樹(大西耳鼻咽喉科院長)●おおにし まさき氏。1979年和歌山県立医大卒後、日本医大耳鼻咽喉科学教室入局。81年同大助手。85年カナダ・マックマスター大留学。93年墨田区に大西耳鼻咽喉科を開業。

連載の紹介

【臨床講座】ゼロから学ぶ花粉症診療ゼミナール
耳鼻科にローテートしてきた研修医P君が、指導医O先生と医局で雑談するという設定で、花粉症の診断、症例に応じた治療法の選択、患者指導のコツなど花粉症診療のイロハを紹介します。

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