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【連載第10回】
鼻アレルギー唯一の根治療法 -免疫療法-

2007/04/09

研修医P:「スギ花粉症の人は、スギ花粉がなくならない限り、一生、薬を飲み続けなければいけないのですか」
指導医O:「年齢とともに自然寛解する人もいますが、現在のところ体質を変える薬はありませんからね」
研修医P:「え、体質を変える薬を飲んでいると言う人もいますが」
指導医O:「それは誤解です。薬を飲んでいる間だけ体質が変わるのであって、薬を止めれば元に戻ります。現在のところ体質を変えてくれる、つまり長期寛解を期待できる唯一の治療方法は、免疫療法だけなのです。免疫療法は薬物療法と違って、妊娠中の継続も安全です」

研修医P:「免疫療法は通院回数が多くて大変だと聞きましたが」
指導医O:「免疫療法は、スギ花粉抗原エキスを少しずつ増量して注射します。標準的なやり方では、週2回注射で維持量に達するのに3カ月かかります。つまり24回の通院が必要ですね」
研修医P:「もっと短期間にできないのでしょうか」
指導医O:「奥田の急速免疫療法では1カ月、また入院して点滴し万全のショック対策をしながら数日で維持量に達するラッシュ法もあります」
研修医P:「そうなんですか。でも、維持量に達した後も、長期間の治療が必要ですよね」
指導医O:「維持量に達したら週1回を1カ月、2週に1回を2カ月、そのあとは1カ月に1回注射し、トータルで2年から3年、注射を続けなければなりません」

遅くても11月には治療開始を
研修医P:「僕も来シーズンは免疫療法を試してみたいのですが、いつ治療を開始すればいいのでしょうか」
指導医O:「免疫療法による症状の改善は、3~6カ月以内に現れます。スギ花粉症なら2月半ばから花粉の飛散が始まると考えると、遅くても11月には治療を開始する必要があります。維持量に達するまでの期間は副作用が出やすいので、花粉飛散期までに維持量に達している必要があるのです」

研修医P:「効果はどのぐらい期待できるのですか」

著者プロフィール

大西正樹(大西耳鼻咽喉科院長)●おおにし まさき氏。1979年和歌山県立医大卒後、日本医大耳鼻咽喉科学教室入局。81年同大助手。85年カナダ・マックマスター大留学。93年墨田区に大西耳鼻咽喉科を開業。

連載の紹介

【臨床講座】ゼロから学ぶ花粉症診療ゼミナール
耳鼻科にローテートしてきた研修医P君が、指導医O先生と医局で雑談するという設定で、花粉症の診断、症例に応じた治療法の選択、患者指導のコツなど花粉症診療のイロハを紹介します。

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