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特別編
東日本大震災に国際赤十字はどう動いたか?

2011/12/07
佐藤展章(国際赤十字・赤新月社連盟)、江副聡(国連合同エイズ計画)、喜多洋輔(元世界保健機関)、鷲見学(元世界保健機関)

図1 赤十字の国際的なネットワーク

 2011年3月11日、全世界の人々を震撼させる映像があらゆるメディアを席巻した。日本ではほとんどのメディアが被災地の惨状を日夜伝え、政府や民間を問わず、これまでにない規模の救助・救援活動が始まった。一方で世界の多くの人も、かつて見たことのない津波の映像と、原子力発電所の事故に関する報道を、連日固唾を飲んで見守っていた。すると間もなく、世界各地で自発的な活動が始まった。―「日本を助けたい」

 しかし、外国に住む一般の人々が、どのような方法でその想いを形にできるのか。ひとつの手段として、「国際赤十字」が日本の被災者への援助の「橋渡し」を手伝っていた。今回は、そのあたりの状況を詳しく紹介したい。

赤十字の国際協力の仕組み
 赤十字社は世界の186の国と地域に設立されている。一国一赤十字社の原則があり、日本赤十字社は、日本国内でのすべての赤十字活動に責任を負っている。また、ジュネーブには赤十字の2つの国際機関がある。主に武力紛争地域で活動する「赤十字国際委員会(CRC)」と、非紛争地域で活動する「国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)」(全186の赤十字の連合体)である(図1)。ちなみに、筆者が在籍するIFRCの現在の会長は、日本赤十字社の近衞忠煇社長であり、世界の赤十字の舵取りを任されている。(詳しくは第5回を参照

著者プロフィール

ジュネーブの国際機関に勤務する日本人職員が有志で集まり、持ち回りで執筆していきます。なお、本記事内の意見部分は筆者らの個人的見解であり、所属組織の公式見解ではありません。

連載の紹介

ジュネーブ国際機関だより
WHO(世界保健機関)やUNAIDS(国連合同エイズ計画)などスイス・ジュネーブの国際機関で日々議論されている世界の保健医療(グローバルヘルス)の課題を、現地の日本人職員がリアルタイムに日本の医療関係者に伝えます。

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