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臨床現場のモヤモヤをスッキリさせる4つの視点

87歳男性。田中清さん(仮名) 主訴:経口摂取困難

 アルツハイマー型認知症、高血圧症、慢性心不全などの既往があり、要介護3の認定を受けています。デイサービスを利用しながら長男の聡さんと二人暮らしをしていましたが、3週間前に構音障害と経口摂取不良で中原病院(80床の中小病院)の外来を受診。脳梗塞と診断され、入院となりました。担当は、地域医療研修中の八木研修医です。嚥下不能のため、経鼻胃管からの人工栄養を続けながら、嚥下リハビリテーションを行っているものの改善は見られません。家族は聡さんの他に、県外に住む長女の智子さんがいます。

 何度か経鼻胃管を自己抜去したため、仕方なくミトンを使用した行動制限を行っています。田中さんの嚥下機能が回復する可能性は低く、経鼻胃管の留置が長期化することが予想されたため、八木研修医は智子さんと聡さんを病院に呼び、胃ろう造設について相談することにしました。

連載の紹介

プライマリ・ケア連合学会が贈る『現場で使える総合診療』
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