日経メディカルのロゴ画像

医療を拒む在宅患者家族をどう支える?

90歳女性。鈴木久子さん(仮名) 主訴:排尿障害

 50代より糖尿病と高血圧で他院へ通院、10年前にアルツハイマー型認知症と診断。認知症の進行に伴って要介護の状態となり、6年前より三女の京子さん(60歳、独身)が介護。京子さんは久子さんの基礎疾患や便秘などの軽微な症状に対して食事療法や民間療法での対処を望んだものの、当時のかかりつけ医と意見が食い違い、通院が中断。

 2年ほど前から認知症がさらに進行し、意思疎通困難となった段階で「本人が苦しそう」との主訴で若葉中央病院(360床の基幹病院)の救急外来を受診。神経因性膀胱による排尿障害の診断で間欠的自己導尿の方針となりました。急性期病院の外来は待ち時間が長いため、自己導尿用カテーテルの提供を含め、診療所での対応を京子さんが希望し、夕陽が丘家庭医療診療所(公設民営の無床診療所、医師3人体制)を受診。担当は四本医師。

 通院中、自己導尿の指導や全身管理目的に訪問看護を導入。内服薬について様々な提案をするも、全て京子さんに拒否されています。

 夕陽が丘家庭医療診療所への通院が約1年半続いた後、久子さんの通院負担から訪問診療導入となりました。

連載の紹介

プライマリ・ケア連合学会が贈る『現場で使える総合診療』
「総合診療ってよく分からない、とっつきにくい」と思っていませんか?ですが、総合診療・家庭医療はプライマリ・ケアの現場から立ち上がった専門領域です。そのエッセンスを取り入れることで、日常診療における困りごとへの解決の糸口や、新たな視点を得られるかもしれません。「患者中心の医療の方法」は、ただのスローガンではありません。患者が抱える「病い」や、患者を取り巻く家族・地域にまで目を配ることで見えてくるものがあります。この連載では、総合診療医・家庭医療的な視点を生かすことで得られる日常診療の改善例を、総合診療医・家庭医が症例ベースで解説します。監修:日本プライマリ・ケア連合学会

この記事を読んでいる人におすすめ