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老年医学の「3D」
「せん妄、認知症、うつ病」の3つを鑑別する

2015/01/14

 77歳の男性があなたの外来に初診で来られました。家族と一緒に来たとはいうものの、診察室には患者さんだけで、「どうされましたか?」と尋ねても「娘が、『お父さんは、最近元気がないから先生に診てもらって』と言うから来た。自分では特にどこが悪いということはない」というのです。このようなケースに、あなたなら、どのような鑑別診断を挙げ、どのようにアプローチしますか?

 第3回でお話しした「せん妄、Delirium」に加えて、「認知症、Dementia」、「うつ病、Depression」は老年医学の「3D」と呼ばれ、それぞれの違いについてよく対比されます。

 せん妄は、さまざまな要因による急性意識障害、認知症は中枢神経の変性疾患、うつ病は精神疾患です。それぞれは全く異なる病態生理から生じる疾患なのですが、これらが高齢者に起こると、非常に類似した症状を呈することが多いのです。これらの鑑別は、発症のパターンと経過が鍵になり、多くの場合は、本人のみでなく第三者(家族など)からの情報が必要になります。表1に鑑別のポイントをまとめました。

著者プロフィール

岩田勲(ノースキャロライナ大学チャペルヒル校医学部内科老年医学部助教授)●いわたいさお氏。1994年九州大学医学部卒。タフツ大学医学部(ボストン)客員研究員、カリタスカーニー病院(ボストン)内科チーフレジデント、デューク大学医学部 老年科フェローを経て、2012年より現職。

連載の紹介

若手医師への老年医学のすすめ
高齢者に多く見られる症候群(老年症候群)をはじめ、高齢者およびその家族とのコミュニケーション、緩和ケア・終末期医療について、日本の若手医師に必要な「老年医学の基本」をエピソードを交えながらまとめていきます。

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