日経メディカルのロゴ画像

「認知症だから」と「せん妄」を見過ごしていませんか

2014/11/13

 あなたが週末に内科病棟の当直をしているとしましょう。看護師からコールがあり、患者さんが点滴を引き抜いて、家に帰してくれと叫んでいるというのです。カルテをみると患者は80歳の男性で、昨日肺炎で入院となり、抗生剤の点滴にて治療中とのことです。既往歴は糖尿病、脳梗塞、認知症とあります。患者さんの娘がちょうど見舞いにきており、家ではこんなに興奮したようなことはなかったと言っています。さて、いったい何が起こっているのでしょうか?

 「認知症患者だから病院で混乱するのは当たり前」とか「認知症が悪化したのでは?」というような会話を耳にしたことはないでしょうか。「認知症の悪化」と考える前に皆さんに考えていただきたい病態があります。それは「せん妄 delirium」です。急性および亜急性の意識障害および認知機能障害で、「急性錯乱状態acute confusional state」と呼ばれることもあります。

 せん妄Confusion Assessment Method(CAM)により診断できます。診断基準は、表1の4項目のうち、1と2の両方が存在し、さらに3あるいは4のいずれかを満たせばせん妄と診断できます。

著者プロフィール

岩田勲(ノースキャロライナ大学チャペルヒル校医学部内科老年医学部助教授)●いわたいさお氏。1994年九州大学医学部卒。タフツ大学医学部(ボストン)客員研究員、カリタスカーニー病院(ボストン)内科チーフレジデント、デューク大学医学部 老年科フェローを経て、2012年より現職。

連載の紹介

若手医師への老年医学のすすめ
高齢者に多く見られる症候群(老年症候群)をはじめ、高齢者およびその家族とのコミュニケーション、緩和ケア・終末期医療について、日本の若手医師に必要な「老年医学の基本」をエピソードを交えながらまとめていきます。

この記事を読んでいる人におすすめ