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連載第13回
大血管疾患の進展を食い止める

2006/07/07

図1 山形県舟形町における心血管イベント発症の前向き研究 

【質問】
大血管疾患の発症を予測するには、どんな検査を行えばいいですか。

【回答】
トレッドミル検査や頸動脈エコーを活用し、定期的に進展を評価する。

 今回は、冠動脈疾患脳血管障害閉塞性動脈硬化症(ASO)という大血管疾患の予防、早期診断・治療のポイントについて解説する。

 日本人の2型糖尿病患者への生活指導の効果を検討する大規模介入研究Japan Diabetes Complications Study(JDCS)が現在進行中である。JDCSは全国59カ所の糖尿病専門施設の患者2205人を対象としており、これまでの研究結果からは糖尿病患者における冠動脈疾患と脳卒中の発症率は非糖尿病患者に比べておよそ4~5倍高いことが判明した。さらに、脳卒中が多いという従来からの日本人の一般的傾向とは異なり、糖尿病患者においては、冠動脈疾患の発症が脳卒中を上回り、欧米型の傾向が強まっていることが分かった。

 また、図1に示すように、山形県舟形町における前向き研究では、境界型糖尿病群(impaired glucose tolerance:IGT)であっても、正常耐糖能群(normal glucose tolerance:NGT)に比し、有意に心血管イベントによる死亡率が高いことが明らかとなった(参考文献1)。

 以上より、欧米のみならず日本においても、2型糖尿病患者における心血管イベントをいかに減らすかが、今日の最も重要な課題となっていることが分かる。

著者プロフィール

岩岡 秀明(船橋市立医療センター内科副部長)●いわおか ひであき氏。1981年千葉大卒後、同大第二内科入局。研修後、成田赤十字病院などを経て、2002年4月より現職。

連載の紹介

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