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連載第4回(4/28 訂正)
SU薬は2~3種類を上手に使い分け

2006/04/28

【質問】
スルホニル尿素(SU)薬を処方する際のポイントを教えてください。

【回答】
最小量から徐々に増やし、最大量を使う前にインスリン導入の検討を。

 今回は、食後高血糖(200mg/dL以上)だけでなく、空腹時高血糖(130mg/dL以上)も認め、かつ非肥満でインスリン分泌能が低下している場合の薬物療法について解説する。日本人は欧米人ほど著明に肥満していなくても、つまり小太り程度であっても糖尿病になることが疫学的にも明らかになっている。その最大の理由がインスリン分泌能の低下であり、SU薬が奏効する。日常診療では、以下の3つの指標により、インスリン分泌能を評価・判定するとよい。

HOMA-β、CPR、肥満で判断
(1)HOMA-β(インスリン分泌能の指標)
HOMA-β=〔空腹時インスリン値(μU/mL)×360〕÷〔空腹時血糖値(mg/dL)-63〕
 ・50%以上:正常
 ・30%以下:インスリン分泌能低下

(2)血中・尿中Cペプチド(CPR
a)空腹時血中CPR 0.5ng/mL未満、食後2時間血中CPR 1.0ng/mL未満、もしくは蓄尿中CPR 20μg/日未満の場合。
→「インスリン依存状態」であり、インスリン療法の絶対的な適応である(インスリン療法の適応については、第1回の表1を参照)。
b) 空腹時血中CPR0.5~ 1.0ng/mL未満、食後2時間血中CPR 1.0~2.0ng/mL未満、もしくは蓄尿中CPR 20~30μg/日の場合。
→インスリン分泌能の低下が強く、SU薬でのコントロールは難しい、インスリン療法が必要な場合が多い。
c) 空腹時血中CPR 1.0ng/mL以上、食後2時間血中CPR 2.0ng/mL以上、もしくは蓄尿中CPR 30μg/日以上の場合。
→インスリン分泌能は残存しており、SU薬が有効な場合が多い。

(3)非肥満
一般に、非肥満型では、インスリン抵抗性改善薬の効果はあまり期待できない。

 上記3つの指標のうち1つ以上認める患者は「インスリン分泌能低下主体型」であると判断し、SU薬を使用する。SU薬の血糖降下作用は、各経口薬の中で最も確実で、HbA1cで1~2%低下する(参考文献1)。表1に、現在、よく使用されている主なSU薬を示す。使い慣れたSU薬2~3種類を常備しておくとよい。筆者が現在使用しているSU薬は、グリクラジド(商品名:グリミクロン)、グリメピリド(アマリール)、グリベンクラミド(オイグルコン)の3種類のみである。

 

著者プロフィール

岩岡 秀明(船橋市立医療センター内科副部長)●いわおか ひであき氏。1981年千葉大卒後、同大第二内科入局。研修後、成田赤十字病院などを経て、2002年4月より現職。

連載の紹介

【臨床講座】誰にも聞けない糖尿病の基礎
糖尿病患者は増加の一途をたどっています。経口糖尿薬は何を選択すればいいか?インスリンはいつ導入すべきか?合併症を防ぐためのポイントは?教科書では分からない糖尿病診療の基本やコツを紹介します。

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