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1次情報を大切に! 鑑別診断の構築に必要なこと

2017/05/18
石山 貴章(魚沼基幹病院)

病棟で見掛けた院内マスコット第4弾。看護師さんのお人形。こちらは患者さんの作ではなく、どこかの組織からの頂き物のようだ。なかなか愛嬌があり、思わずパチリ。

 今回は、コミュニケーションスキルにおける鑑別診断構築の重要性、そして患者満足度を上げるための「切り札」に関して述べてみたい。
 
メンタルリストの構築
 前にも述べたように、鑑別診断のプロセスは実際に患者を診る前、カルテにおける2次情報を目にした時から既に始まっている。

時折、主訴に戻ろう
 頭の中で時折主訴に戻ることも必要だ。それによって、道をそれることなく、診断パスウェイに乗っていることを確認し得る。

推測は厳禁
 結論に至るために、どのような推測もしてはならない。事実だけを見る必要がある。そして、患者のコンディションに対するあなたのアセスメントは、常に客観的である必要がある。

As a good diagnostician, you should assemble your own fund of clinical narrative and physical examination data, perform any needed studies, and arrive at your own conclusions.

 この言葉を、胸に焼き付ける必要がある。実際の患者診察が始まる前に、それ以前の情報(過去の情報、そして現病歴の2次情報)を頭に入力することにより、あなたの頭には可能性のあるコモンな疾患が、鑑別診断として「頭の中でのリスト(メンタルリスト)」に挙がってきているはずである。

 それをガイドとして注意深く用いることにより、質問事項、そして診察におけるフォーカスのしどころなどが、よりクリアになってくる。これらは全てデータギャザリング (data gathering)であり、これは鑑別診断を構築するために大切なものだ。

患者が最も大切な情報源
 患者が一番の情報ソースだということ。患者が知っていることに対する代わりなどなく、また患者に直接尋ねること以上に、患者の問題をはっきりさせる方法などないということ。

 これらを、常に忘れずに。これは別の言葉で言えば、「1次情報を大切に」ということになる。先にも述べたように、これに関しては連載後半で、情報の格差として改めて述べる。

身体診察と病歴聴取は並行して
 病歴聴取と身体診察とをきっちりと分ける必要はない。むしろ診察をしながら、さらに病歴を聴取していくことを勧める。例えば、ROS(review of systems)などは各々のパーツを診察しながら聞いていくと、非常に効率的である。

患者を心配しているという気持ちを示す
 最も大切なこと。それはあなたが患者を気に掛けているということ、そして患者の状態を心配しているということ、それらを言葉と、そして態度とで示すことだ。これが、患者とのコミュニケーションの上で、最も重要な点であろう。
 

著者プロフィール

石山貴章●いしやま たかあき氏。1997年新潟大学卒業後、同大外科学教室入局。2002年米ワシントン大学セントルイス校リサーチフェロー、St.Mary's health center内科レジデント、ホスピタリストを経て、2015年魚沼基幹病院総合診療科部長。2018年再び渡米し、セントルイス市の病院でホスピタリストとして勤務。

連載の紹介

石山貴章の「イチロー型医師になろう!」
米国の病院でホスピタリストの勤務経験を持つ気鋭の総合診療医、石山氏が投・打・守・走全ての能力を兼ね備えたイチロー選手のように、あらゆる症例を診療できる総合診療能力を有する「イチロー型医師」になるための道標を示す。

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