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第7の地雷 花粉症シーズン到来、ステロイド点眼の恐い話

2008/01/20

 眼が疲れるということで眼科に来た患者が
 「ところで私はスギ花粉症で、以前に耳鼻科で点眼薬をもらっていて、とってもよく効きました。そろそろシーズンなので、同じものをこちらでも出してもらえますか?」

 もちろん眼科なので、点眼薬の処方を出せますよということで見せてもらったものは、0.1%フルオロメトロン点眼薬(商品名:フルメトロン)。
 「えっ?? これだけですか? 他に点眼はもらっていませんでしたか?」
 「いいえ、毎年これだけです。すごく効きますねえ」

 ステロイド薬の点眼を眼科以外で処方することが懸念される理由は、眼圧上昇と感染である。

 ステロイド薬による眼圧上昇は遺伝によるものといわれている。0.1%ベタメタゾン、あるいは0.1%デキサメタゾンの点眼投与により、約3分の1もの症例で眼圧上昇が起こる。眼圧上昇が見られても、ほとんどの場合、ステロイド薬を中止することで眼圧は元にもどるが、そのまま緑内障に進行する例がある。また、原発開放隅角緑内障の発症の危険因子として、このステロイドへの反応性があるとされており、ステロイド薬の投与で眼圧が上昇した場合には、眼科における経過観察が必要である。

 冒頭の患者が処方されていたフルオロメトロンはステロイドの力価が低く、眼圧上昇の副作用は上記のステロイド薬より少ないとされている。しかし、眼圧はよほどの上昇がない限り自覚症状がないため、眼科での計測が必要である。

著者プロフィール

石岡 みさき(みさき眼科クリニック院長)●いしおか みさき氏。1989年横浜市立大医学部卒。93年米ハーバード大スケペンス眼研究所。96年東京歯科大市川総合病院。98年両国眼科クリニック勤務。2008年より現職。

連載の紹介

【臨床講座】たかが“眼”と侮るなかれ
非専門医でも、眼の診療を行う機会は多いもの。しかし、“ついで”に出した点眼薬が重症化や副作用の見逃しを招くなど、トラブルの種はそこここに潜んでいます。眼の診療で最低限注意すべきポイントを紹介します。

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