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第5の地雷 目ヤニに抗菌薬点眼だけでよいのか?

2007/11/30

 「生まれた直後から右目だけ目ヤニが出ることが多くて、小児科で目薬をもらうとちょっと良くなるんですけど、なんだか長引くので…」。

 と連れて来られたのは1歳になろうとする子ども。内心「あっ、困ったなあ」と感じたのは、話から先天性鼻涙管閉塞だろうと予測がつき、押さえつけての通水検査をしなくてはならないと思ったからだ。

 鼻涙管が鼻腔に通じるところは胎生期には膜様閉鎖しており、生後に開通する。しかし、生後もしばらく閉鎖したままの子どもがいる。以前は診断がついた時点で鼻涙管開放術(ブジー)を施行していたが、最近は自然開通することも多く、涙嚢炎予防のため抗菌薬点眼を処方し、自宅でマッサージを行ってもらって様子を見ることが多い。

 生後何カ月でブジーを行うべきかは、意見が分かれるところであるが、1歳を過ぎてしまうと、押さえつけての処置が非常に困難になるので、早めに眼科に紹介してほしい。

 この例は点眼を出すこと自体が誤りではなく、時期を見て専門家に回すべきという症例。しかし、「目ヤニ=眼脂(がんし)」には重症化する症例や特殊な症例があり、抗菌薬点眼を出すだけでよいと思っていると大変なことになるので、眼科以外の医師も注意してほしい。

著者プロフィール

石岡 みさき(みさき眼科クリニック院長)●いしおか みさき氏。1989年横浜市立大医学部卒。93年米ハーバード大スケペンス眼研究所。96年東京歯科大市川総合病院。98年両国眼科クリニック勤務。2008年より現職。

連載の紹介

【臨床講座】たかが“眼”と侮るなかれ
非専門医でも、眼の診療を行う機会は多いもの。しかし、“ついで”に出した点眼薬が重症化や副作用の見逃しを招くなど、トラブルの種はそこここに潜んでいます。眼の診療で最低限注意すべきポイントを紹介します。

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