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第1の地雷 眼底写真で見ているものは?

2007/10/10

 「最近、車を運転していて信号が一瞬見えなくなるときがあるんです」。これが、眼科初診の患者の主訴だった。

 矯正視力は1.2あり、眼圧は正常範囲であったが、未散瞳眼底検査で見た視神経乳頭に緑内障性の変化があると判断し、視野検査にて正常眼圧緑内障と診断がついた。既に片眼は視野の半分が欠損している進行例であったが、その診断に本人は納得いかない様子である。

 「緑内障って眼底写真で分かるんですよねえ? 私はこの十数年、ドックで眼底写真を撮ってもらっているんですが…」。よくよく話を聞くと、その眼底写真を内科の主治医がチェックしていたらしい。

 未散瞳眼底写真は簡単に撮ることができるため、内科診療所でも行っているところが多い。この患者の主治医も「内科で見る眼底写真だから、高血圧や動脈硬化による血管変化を主に気をつければよい」という判断だったのだろう。それも1つの考え方なのだろうが、そこに見えているはずの異常をそのままにして、「異常なし」とする検診でよいだろうか。眼科医としては、大いに気になるところである。眼科医であれば、眼底写真を見る際に、緑内障の早期発見のために視神経乳頭も当然チェックしている。

著者プロフィール

石岡 みさき(みさき眼科クリニック院長)●いしおか みさき氏。1989年横浜市立大医学部卒。93年米ハーバード大スケペンス眼研究所。96年東京歯科大市川総合病院。98年両国眼科クリニック勤務。2008年より現職。

連載の紹介

【臨床講座】たかが“眼”と侮るなかれ
非専門医でも、眼の診療を行う機会は多いもの。しかし、“ついで”に出した点眼薬が重症化や副作用の見逃しを招くなど、トラブルの種はそこここに潜んでいます。眼の診療で最低限注意すべきポイントを紹介します。

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