日経メディカルのロゴ画像

Front Psychiatry誌より
精神疾患当事者が考える「社会復帰への鍵」は治療ではなく…
司法病棟における研究成果

 「希望を持つことを支援する……希望とは小さな積み重ね 回復への道の一歩でもある 医師は希望の1つになることもできる その人の積み重ねる歩みに、何らかの意味を持たせることもできる……」──これは10年近く前に参加した統合失調症を有する人の回復をテーマにした講演を聴いた際、私が書いたメモです。

 私は、医療の枠組みの中での患者の「希望」や「人生」という概念に興味を持っています。精神科医として、症状や患者のパーソナリティーだけではなく、「社会の中で暮らす人」としての患者の苦労に目を向け、お節介ではない程度に、その人の願望や、その人にとって「意味のある人生」についても思いをめぐらす存在でありたいと、ひそかに願っています。そう思いつつも、医療における希望や人生は、私の中ではまだ抽象的な概念で、研究対象としては捉えられていませんでした。

 今回紹介する論文は、医療の中の希望や人生に向き合っています。

著者プロフィール

今村弥生(杏林大学医学部精神神経科)●いまむらやよい氏。札幌医科大学卒。「何よりも害をなすなかれ」が信条。浦河赤十字病院(北海道浦河郡)、聖隷三方原病院(静岡県浜松市)、東京都立松沢病院(東京都世田谷区)を経て2015年より現職。精神科とプライマリ・ケアの間、精神疾患と一般社会の間など、「狭間」の領域に目を向けて、論文などを紹介していきたいと思います。

連載の紹介

今村弥生の「精神科論文collection」
プライマリ・ケア領域においても、精神科的アプローチが役立つ場面は決して少なくありません。本連載では、今村collectionの中から、一般診療での患者ケアに役立つ精神科領域の論文をピックアップし、そのエッセンスをお届けします。医療者自身の診療スタイルの微調整や、自身のメンタルケアにも寄与するクリニカルパールも随時紹介する予定です。

この記事を読んでいる人におすすめ