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第27回 番外編
原因はおやつ!身体のココを見れば分かる!?

2017/05/24
中島 恒夫(丸子中央病院消化器内科)

 今回紹介するのは、日ごろの検査を積み重ねる中で、何となく気付いていたテクニックをご紹介します。

 第21回第22回で機能性消化管障害について簡単に触れましたが、機能性消化管障害の原因として最も多いのは「食」、すなわち、暴飲暴食です。飽食の時代と言われてすでに久しいですが、戦後の日本人の食生活はとにかく激変しました。いつでも、どこでも、自分の好きなモノばかりを、金さえ出せば飲み食いすることが可能になりました。その結果、肥満、糖尿病、脂質異常症、痛風、高血圧症、脂肪肝、大腸癌、変形性膝関節症、腰痛症などなど、過食に起因する疾患に悩む人も増えました。

 消化管疾患でも、機能性消化管障害という病名が提唱されはじめています。その機能性消化管障害の最大の原因は、日頃の不摂生な食生活でしょう。胃袋だって、こき使われれば早く傷み、悲鳴を上げます。朝食を摂り、10時にお茶をして、昼食を摂り、15時にはおやつも食べ、そして夕食には1日のうちで一番こってりでヘビーなものを食べ、さらには夜食まで……。胃にこんな食生活に耐えろという方が無理です。

 胃袋は休憩時間を与えられずに酷使され、胃液をより分泌させられ、そしてその多すぎた胃液が逆流性食道炎、櫛状発赤、線状胃潰瘍、タコイボを作り、具合を悪くさせてしまうのです。

 そんな方々が毎日3~4人ずつ胃カメラを受けに来院されているわけですが、かれこれ10年くらい前のことでしょうか、「ある部位」を視診するだけで、おやつが原因かどうかを見分けられることに気付きました。その「ある部位」とは、胃カメラでの観察所見ではありません。あくまでも通常診察時の視診だけです。

 おやつを食べる方の内視鏡所見は、(1)逆流性食道炎( gradeM が大多数)、(2)胃底腺ポリープ、(3)胃体部から前庭部の櫛状発赤、(4)胃角部から前庭部のタコイボ、(5)胃内への胆汁の逆流、(6)十二指腸の散布性白斑――などでしょう。

 しかし、検査前の視診で、下の写真に注目してみてください(写真1)。左はおやつを食べない人、右はおやつを食べる人です。違いにお気づきでしょうか。

著者プロフィール

なかじまつねお氏○1992年に信州大学卒業。2012年から丸子中央病院にて消化器内科医として勤務。日本の医療を守るために2008年に設立された医師による団体「全国医師連盟」の代表理事も2011年から務めている。

連載の紹介

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【書籍目次】
(1)検査を始める前に、(2)咽喉頭を上手に通過する(3)食道を観察する、(4)胃を観察する、(5)十二指腸を観察する、(6)私の裏技、 (7)機能性消化管障害の診療を考える、(8)番外編

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