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不安障害(1) 全般性不安障害
「何でも心配な女性」を診たらGADを疑え

2012/10/12

 今回からは、MAPSOのAにあたる、不安障害(Anxiety Disorder)の診かたについて学んでいただきます。

 後述しますように、身体的な愁訴のために内科医・プライマリケア医の外来を受診する不安障害の患者は非常に多く、本連載第5回で説明したうつ病(大うつ病性障害)と共存する頻度も高いので、PIPC(Psychiatry in Primary Care)の実践には必須の疾患群です。


■G-POPS:不安障害の5つのタイプ

 PIPCの創始者であるロバート・K・シュナイダー先生は、アメリカ精神医学会の診断基準であるDSM-IVに記載されている不安障害を、シンプルに5つのタイプに整理しました。

不安障害:5つのタイプ(G-POPS)
  • Generalised Anxiety Disorder(GAD) 全般性不安障害
  • Panic Disorder(PD) パニック障害
  • Obsessive Compulsive Disorder(OCD) 強迫性障害
  • Post Traumatic Stress Disorder(PTSD) 外傷後ストレス性障害
  • Social Anxiety Disorder(SAD) 社交不安障害

 日本のポップ・ミュージックはJ-POPで、韓国のポップ・ミュージックはK-POPですね。だったら、ドイツのポップ・ミュージックはG-POPなのかどうかはよく知りませんが、不安障害の5タイプの頭文字を並べると「G-POPS」となります。さあ、もうこれで覚えちゃいましたね。MAPSO問診シナリオにおける「不安障害」のパートは、このG-POPSの順番で各々の質問が配列されています。これに従って問診していけば、各タイプをもれなくスクリーニングできます。


■なぜ、プライマリケアでは不安障害が重要なのか

 わたしたち内科医/プライマリケア医が、不安障害を避けて通れない理由は、以下の3つです。

プライマリケアにおける不安障害の重要性
  • 内科医・プライマリケア医の外来では、不安を有する患者の頻度が、医師の想像以上に高い
  • 患者の不安の内容を理解すると、患者との「つながり」が得られる
  • 不安障害は薬物療法(SSRI/SNRI)が有効であり、内科医・プライマリケア医でも対応可能な患者が多い

 表1にプライマリケアにおける不安障害の頻度を示しました。このデータはアメリカ人によるものですが、わが国における頻度も大きな違いはないものと思われます。

著者プロフィール

井出 広幸(信愛クリニック院長)●いでひろゆき氏。1990年群馬大卒。東海大大磯病院内視鏡内科助手などを経て、2003年に信愛クリニックを設立。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器内視鏡学会専門医。PIPC研究会ファシリテーター。

連載の紹介

内科医だからできるこころの診療
精神疾患を専門としない内科医であっても、精神科的な対応が必要な患者にしばしば遭遇します。そのような患者への対応法を、PIPC(Psychiatryin Primary Care)という教育プログラムに沿って学びましょう。

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