日経メディカルのロゴ画像

気分障害の問診 ~後編~
躁・軽躁という「地雷」を回避せよ

2012/09/27

 前回は、気分障害に関するMAPSO問診の前編として、患者のうつ状態と希死念慮を評価するやり方について学んでいただきました。

 今回は、気分障害の後編として、「躁・軽躁エピソードのチェック」についてお話します。この項目は、PIPCを実践する上で、最も重要なポイントのひとつですから、「内科医の自分には躁病なんて関係ない」などとパスしないで、最後までおつき合いください。


■なぜ「躁・軽躁エピソード」の確認が重要なのか?

 双極性障害は、かつて「躁うつ病」と呼ばれていたように、躁状態とうつ状態が繰り返しあらわれる病気で、前回にも冒頭に説明しましたように、うつ病(大うつ病性障害)と同じ気分障害のカテゴリーに含まれます。

 内科医・プライマリケア医であっても、うつ状態の患者のなかに隠れている双極性障害を見落としてはいけません。なぜなら、うつ病と双極性障害では、治療薬の選択、治療経過、予後などが異なるため、内科医・プライマリケア医がとるべきアクションも大きく変わってくるからです。

躁・軽躁エピソードを必ず確認する理由
  • 軽躁傾向を認める人は、潜在的に多い
  • 双極性障害は診断も治療も難しい
  • 躁・軽躁エピソードのチェックは、「精神科専門医でない自分が診てもよい患者なのか」を鑑別する上で本質的に重要である

著者プロフィール

井出 広幸(信愛クリニック院長)●いでひろゆき氏。1990年群馬大卒。東海大大磯病院内視鏡内科助手などを経て、2003年に信愛クリニックを設立。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器内視鏡学会専門医。PIPC研究会ファシリテーター。

連載の紹介

内科医だからできるこころの診療
精神疾患を専門としない内科医であっても、精神科的な対応が必要な患者にしばしば遭遇します。そのような患者への対応法を、PIPC(Psychiatryin Primary Care)という教育プログラムに沿って学びましょう。

この記事を読んでいる人におすすめ