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【連載第5回】実践篇(3):うつ病の周辺
「反応性抑うつ」「心因反応」「適応障害」って何だ?

2008/04/05

 うつ病の周辺には、紛らわしい病名や症状名が少なくない。今回は、そうした用語の違いについて説明する。

 企業に提出される診断書に書かれる診断名として、最も多いのが「うつ病」「抑うつ状態」「うつ状態」「反応性抑うつ」などである。

 このうち「抑うつ状態」「うつ状態」は、状態像の診断であり、「うつ病」は疾患名である。したがって、抑うつ状態やうつ状態を呈する疾患は、うつ病に限らず、神経症(今でいう不安障害のことで、パニック障害なども含まれる)、統合失調症、認知症、薬物因性精神障害(ステロイド薬服用中など)、身体疾患に合併する精神障害(クッシング症候群など)などがあるということになる。

 一方、うつ病という病名は、限定的な意味合いで使用されることがある。その一例が、最近増えている「反応性うつ病」(反応性抑うつ)のみを指す場合である。反応性うつ病とは、何かはっきりした原因をきっかけにうつ状態を呈した場合をいう。例えば、仕事上でミスをしたとか、行きたくない部署(医師の場合なら行きたくない病院)に異動になったという出来事が、きっかけになる。

 また「内因性で単極性のうつ病」のみを、うつ病と呼ぶこともある。内因性のうつ病は、原因が明らかではなく、素質や遺伝的素因が関係していると考えられるうつ病である。単極性うつ病は、躁とうつの両相を持つ双極性うつ病(躁うつ病)と区別する意味で使用される分類で、うつ病相のみの病態をいう。

 なお、すべての精神障害は、その原因によって「内因性」「心因性」「外因性」の3つに分類される(表1)。

著者プロフィール

保坂 隆(東海大学医学部教授・精神医学)●ほさかたかし氏。1977年慶應義塾大学医学部卒。82年東海大学病院精神科助手、93年に同講師。2000年に同助教授を経て、03年から現職。

連載の紹介

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