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【連載第2回】 おさらい篇◎ストレス関連疾患 ― 不眠症、アルコール依存、うつ状態
医師の4人に1人がアルコール依存だという現実

2008/03/05

 前回は、ストレスによって起こる身体の病気「心身症」を紹介したが、ご存じの通り、ストレスで心の病気が生じることも多い。具体的には、不眠症、アルコール依存症、うつ状態・うつ病などである。

 不眠症は、国民の4人に1人が罹患しているとも言われるコモンディジーズである。不眠症は「眠れない時期」によって3種類に分けられる(表1)。

 入眠障害は、寝付きが悪い状態である。ただし、時差ぼけや勤務シフトによる一時的な寝付きの悪さは不眠症には入れないし、明らかに悩みがあって布団に入っても寝付けないという場合も、不眠症には分類されない。入眠障害は、子供のころから寝付きが悪かった人で、中高年になってそれが目立ってくるといった「体質性」のものが多い。

 睡眠の中期が障害されるのが「中途覚醒」と「熟眠障害」である。中途覚醒は、一旦寝入っても夜中に目が覚めてトイレに行ったりするが、その後はまた眠ることができるというものである。熟眠障害は、一晩中うつらうつらするだけで眠った気がしないというものである。患者は「一晩中遠くで鳴る時計の音を覚えている」とか、入院の患者なら「看護師さんが訪室したのは全部覚えている」と表現する。中途覚醒や熟眠障害は、中高年によく見られる。中高年になると、一般に睡眠の質は悪くなり、睡眠が浅くなることが生理的にも多い。

 最後に、夜明け前のまだ暗いうちに目が覚めてしまい、その後再び眠れなくなる場合を「早朝覚醒」という。このタイプの不眠症は、最も注意しなければならない。と言うのは、この不眠がうつ病の症状である可能性が高いからである。だから、あなたが不眠で悩むようなら、まずはうつ病の可能性について検証する必要がある。なお、早朝覚醒でうつ病が否定された場合、それは単なる「中高年性」の不眠を意味している。

著者プロフィール

保坂 隆(東海大学医学部教授・精神医学)●ほさかたかし氏。1977年慶應義塾大学医学部卒。82年東海大学病院精神科助手、93年に同講師。2000年に同助教授を経て、03年から現職。

連載の紹介

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