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永寿コロナ院内感染の経験とこれからの緩和ケア

2020/07/03
廣橋 猛(永寿総合病院)

 皆さん、こんにちは。

 「二刀流の緩和ケア医」を数カ月お休みさせていただいておりました。報道などでご存じの方も多いと思いますが、私の勤務する永寿総合病院が新型コロナウイルスの院内感染に見舞われて慌ただしく過ごしていたため、記事を書く余裕がなかったのです。今回、多少は落ち着いてきたこのタイミングで、院内感染の経験から特に緩和ケアに関連する部分で感じていることを共有させていただきたいと思っています。

 2020年1〜2月は、都内では次第に新型コロナウイルス感染患者が増えていることが報じられ、感染管理の見直しや面会制限の強化が話題になっていた時期でした。当院でも面会制限が開始され、それは緩和ケア病棟も例外ではなく、私個人としては面会ができないなら緩和ケア病棟の意味が半減すると息巻きつつ、療養の場の意思決定においてコロナという要素が加わっている現状を訴える記事(新型コロナ予防、終末期でも面会制限?)を日経メディカル Onlineに寄稿し、面会ができないという理由で在宅療養を選ぶ可能性について論じておりました。そんな当院がまさか新型コロナウイルス第1波最大のクラスターの現場になるとは思ってもみませんでした。

 永寿総合病院の院内感染に関する詳細な原因評価や経過については、公式ホームページに当院並びに厚生労働省クラスター対策班がまとめたレポートが掲載されていますので、そちらを参照いただくこととして、個人的に述べることは避けたいと思います。ただ、多くの患者さんやご家族、そして連携してきた多くの医療機関の皆様に多くのご迷惑をおかけしたこと、本当に申し訳なく思っております。

著者プロフィール

廣橋猛(永寿総合病院 がん診療支援・緩和ケアセンター長)●ひろはし たけし氏。2005年東海大学医学部卒。三井記念病院内科などで研修後、09年緩和ケア医を志し、亀田総合病院疼痛・緩和ケア科、三井記念病院緩和ケア科に勤務。14年2月から現職。

連載の紹介

廣橋猛の「二刀流の緩和ケア医」
東京下町で病棟、在宅と2つの場の緩和医療を実践する「二刀流」の緩和ケア医、廣橋氏が癌医療や終末期医療、在宅ケアの現状や問題点を綴りながら、患者さんが病院から在宅まで安心して過ごせる医療とケアについて考える。本人のオフィシャルサイトはこちら

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