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闇の中に見捨てられた命~比叡の空高く~
なぜ相模原事件の被害者の名前は伏せられたのか

2016/09/09
東徹(いわくら病院[京都市左京区])
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精神科単科病院の身体合併症病棟という、一般の医療者とはやや異なる少し特殊な状況で診療をしてきました。その経験をご紹介することを通じて、精神科というものの実態を知っていただきたいと思いました。また、その中で、かなり多くの方が亡くなるのを看取ってきました。その多さに、「死」に対して麻痺してしまったような感覚があり、後ろめたさがありました。コラムとして書くことであらためて振り返りつつ、自身の後ろめたさの解消をし、あわよくば読んでいただいた方に何かの参考にしていただきたい。大げさに言えば、「死」を「希望」に変えたい、というようなものでした。

著者プロフィール

東徹(いわくら病院[精神科単科病院])●ひがしとおる氏。2006年京都大学医学部卒。高知医療センターでの初期研修を経て、京都大学医学部付属病院、大阪赤十字病院精神神経科に勤務。2012年より現職。

連載の紹介

その死に誰が寄り添うか-精神科単科病院にて
精神科単科病院の「身体合併症病棟」。ここがどのような場所で、どのような人がどう生き、そして死んでいくのか。知られざる実態を、長期入院の末に亡くなった方々の実例を元に、一部改変してご紹介します。
『精神科病院で人生を終えるということ − その死に誰が寄り添うか』好評発売中

 精神科単科病院で身体合併症病棟を担当する著者が精神医療の現状を生々しくつづっていいます。胃瘻造設や延命治療の是非、誤嚥性肺炎への対応、患者家族への説明の難しさなど終末期医療における課題を挙げ、相模原障害者施設殺傷事件に対する私見も示しています。
 精神医療に限らず、高齢者の終末期医療に対する現場の肉声ともいえる内容です。高齢者医療に携わる全ての医療者に一読をお勧めします。(東徹著、日経BP社、3500円+税)

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