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寝た子を起こすか起こさぬか(前編)
その状態は望んだ作用か過鎮静か

2016/02/17
東徹(いわくら病院[京都市左京区])

 このコラムも1年近く続けさせていただいています。そろそろ終盤に差し掛かってきました。いろいろ角度を変えつつ書いてきましたが、徐々にこれまで書いたものとどうしても視点が重なってしまうところもありますので、そろそろまとめる頃かな、と思っている次第です。と言っても、まだしばらくは続きます。ここからご紹介するのは、これまでよりも書きづらかったエピソードになります。なぜ書きづらいかといえば、端的にいえば僕の失敗例だからです。失敗は言い過ぎだとすると、多少なりとも悔いの残ったケース、という方が正しいかもしれません。これまでの連載がどんなエピソードだったか気になる方は、第1回からお読みいただければ幸いです。
 
60年以上前に統合失調症を発症した加藤さんの家族関係
 今回は加藤さん(仮名、享年83歳男性)のお話です。加藤さんは22歳頃に統合失調症を発症しました。残念ながらその頃の詳細は分かりません。なにせ60年以上前の話です。カルテの保存義務は5年。60年以上前のことが分からなくてもお許しいただければ、と思います(誰に許しを乞うているのかはよく分かりませんが…)。

著者プロフィール

東徹(いわくら病院[精神科単科病院])●ひがしとおる氏。2006年京都大学医学部卒。高知医療センターでの初期研修を経て、京都大学医学部付属病院、大阪赤十字病院精神神経科に勤務。2012年より現職。

連載の紹介

その死に誰が寄り添うか-精神科単科病院にて
精神科単科病院の「身体合併症病棟」。ここがどのような場所で、どのような人がどう生き、そして死んでいくのか。知られざる実態を、長期入院の末に亡くなった方々の実例を元に、一部改変してご紹介します。
『精神科病院で人生を終えるということ − その死に誰が寄り添うか』好評発売中

 精神科単科病院で身体合併症病棟を担当する著者が精神医療の現状を生々しくつづっていいます。胃瘻造設や延命治療の是非、誤嚥性肺炎への対応、患者家族への説明の難しさなど終末期医療における課題を挙げ、相模原障害者施設殺傷事件に対する私見も示しています。
 精神医療に限らず、高齢者の終末期医療に対する現場の肉声ともいえる内容です。高齢者医療に携わる全ての医療者に一読をお勧めします。(東徹著、日経BP社、3500円+税)

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