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心不全に伴う症状の緩和に有用
心不全緩和ケアに漢方を生かすには

2018/06/13
土倉 潤一郎(土倉内科循環器クリニック)

土倉潤一郎氏

 私は西洋医学(主に循環器内科)と漢方医学を、ほぼ同じ期間、学んできました。そこで感じたことは、「どちらの医学も必要であり、お互いの利点を活かすことが患者の利益になる」です。例えば、冷え性、かぜ、胃腸疾患、月経関連疾患、気候の変化で悪化する頭痛、めまいなどは、漢方薬の使用頻度が多い分野と思います。一方で、循環器内科の分野においては、西洋薬が第一選択となることが多いですが、それでも取りきれない症状には漢方薬を使用します。

 心不全の予後改善効果の面では確立したものがありませんが、“心不全に伴う症状の緩和”には幾つか漢方薬も有用と思われます。標準的治療を行っているにもかかわらず、患者が困っている場合にはぜひ漢方薬を検討してみてください。新たな治療選択肢があることは患者だけでなく医療者にとっても救いになりますし、効果を認めた際には共に喜ぶことができます。

 今回は総論を中心に記述させていただき、心不全患者に伴う代表的な苦痛症状1)2)への具体的な漢方処方に関しては、ポイントを絞って、3症候について提示いたします。難しい漢方理論などにつきましては、他書を参考にしていただきたいと思います。

著者プロフィール

九州心不全緩和ケア深論プロジェクト(共同代表:久留米大学医学部心臓・血管内科部門の柴田龍宏氏、飯塚病院緩和ケア科の柏木秀行氏)を中心とするメンバー。循環器内科、総合診療科、緩和ケア科、コメディカルが垣根なく協働し、地域密着型の循環器緩和ケアの確立を目指して発足したプロジェクトです。

連載の紹介

実践・心不全緩和ケア
心不全パンデミック到来で、心不全緩和ケアのニーズが高まっています。しかし、先駆的な試みがある一方で、なかなか普及に至っていないのが実情です。循環器内科はもちろん、ジェネラリストや在宅医療従事者、コメディカルらが、真正面から心不全緩和ケアを取り上げて、ともに議論する場を提供します。

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