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連載第85回
警察で取り調べを受けることに。注意点は?

2007/12/18

【今回の相談事例】
 私が主執刀医として行った手術の最中、原因不明の出血が突然生じて術中に患者が死亡してしまいました。死亡直後にご家族にご説明したところ、非常に立腹され、そのまま警察に連絡されてしまいました。結局、私が業務上過失致死傷罪の被疑者になり、警察に呼ばれて取り調べを受けることになりました。警察に呼ばれるなど初めてのことで、何をどうしたらよいか、まるで分かりません。取り調べに際しては、どのような点に注意したらよいでしょうか。
(相談者:一般病院外科医)

【回答】
 警察官の取り調べでは、あなた(被疑者)が警察官からいろいろな事情を質問されます。取り調べであなたが話した内容は供述調書という書面の形にまとめられて、最終的に署名押印を求められます。この供述調書は、本件の処分(起訴・不起訴など)を決める上で重要な資料とされますし、刑事裁判となった場合には特に重要な証拠になります。

納得行くまで、供述調書にはサインしない
 しかし、この供述調書はあなたが話した内容を一言一句違わず、そのまま書いたものではありません。取調官があなたの話をまとめて書面化するものなので、あなたが伝えたいこととニュアンスが異なる表現や、取調官の作文が入ってしまうことがしばしばあります。

 特に、重要な部分であなたが話した内容と異なる記載がされた供述調書に署名押印をしてしまうと大変です。裁判になった場合、「供述調書のこの部分は自分の言い分とは違う、取調官の作文である」と主張しても、その主張が認められるには相当の労力と困難を要します。「そのときはあなた自身、この記載が真実だと思って署名押印したのでしょう。今の言い分の方が嘘なのではないですか」と思われてしまいがちなのです。

 以上のごとく、供述調書が非常に重要なものであることをまず認識してください。その上で、取り調べに際しては、次のような注意が必要です。

著者プロフィール

HDLA研究会●HDLA研究会は、医事紛争に関して医療機関側の代理人を務める弁護士で組織。会員は約100人で、各種勉強会を開催するほか、会員相互の情報交換を行っている。

連載の紹介

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