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女性医師に向く診療科とは

2016/05/06
原田 文子

 こんにちは、原田文子です。新一年生の医師の皆さん、頑張ってますか? そして新しい職場に変わられ心機一転、という先生方も多いことでしょう。医師国家試験に合格し、不安と期待の入り混じった十何年も前の今の時期を懐かしく思い出します。

 今日は、女性医師に向く診療科について書いてみようと思います。「なぜ○○科を選んだの?」というのは「なぜ医師になったの?」と同じくらい私たちが頻繁に尋ねられる質問ですよね。医学生や研修医の先生方は、実習先や研修先で「専門の科、もう決めた?」「どこにしたの?」と挨拶代わりのように聞かれ、うんざりすることも多いと思います。

 私が医師になった2000年時は今の研修制度とは違い、医学部を卒業する前に自分の専攻科を決めなければなりませんでした。「実家を継ぐので眼科以外選択肢はない」「子どものころ病弱でお医者さんにはとてもお世話になったので、絶対に小児科医になる」「病院の中で唯一おめでとうが言える産科医になりたい」など、信念を持って決めている医師もいますが、最後の最後まで決めれずに「なんとなく流れで○○科を選んだ」とか「消去法で残ったのが○○科」という知人友人医師も多いです。

 中には、「○○科上級医の笑顔がすてきで、彼女とこれからも一緒に仕事をしたいと思ったから」「○○科の飲み会がとても楽しかったから」という、「えっ、本当に?」思ってしまう理由もあったりします。

 私自身は、6年掛けて体全身について学んだのだから、一部の臓器ではなく全体を診れる科がいいなと思っていました。どんな病気でも一通りは診れる町のお医者さん的な医師に憧れていましたし、外科系は体力に自信がないので、一般内科が第一志望でした。

 医学部6年生の12月に大阪大学旧第一内科(その後、臓器別に再編成され、現在は内分泌・代謝内科)の入局説明会に参加しました。実は入局説明会に参加するまで、大阪大学第一内科が5つの臓器別グループ(神経、腎臓、消化器、循環器、糖尿病)で構成されていることを、恥ずかしながら知りませんでした。

 入局説明会に来ていた他の医学生たちはどの臓器グループにするかをほぼ決めており、リサーチ不足の私はとても肩身の狭い思いをしたことを今でも覚えています。当時医局長だったT先生に、「内科の中のどの臓器に行きたいかを全く考えてなくて……」と小さな声で相談したところ、T先生は「じゃあ糖尿病内科はどう? 女性は働きやすいよ。研修先もたくさんあって選びやすいから」と。言われるがままにその場で糖尿病内科への配属が決まりました。

 後日談ですが、その年は消化器内科、循環器内科の志望者が多く、糖尿病内科は人気がなかったそうです。T先生はその後、「糖尿病内科は少なかったからね。だから勧めたんだよ。でも女性に優しく働きやすいというのは本当だよ」と、してやったりと笑っていました。

 こんな不思議な流れで糖尿病内科への入局が決まり、研修先もいつの間にか決まりました。私は、運命に身を任せるのもあり、流れに乗ってみるのも多いにありだと思います。いくら悩んでも決められないことってありますから。

 現在私は、あの時、勧められるままに糖尿病内科を専門に選んで本当に良かったと思っています。T先生の言葉が今思えば、神の一言だったのではと思うほどです。

内科系で女性医師の割合が最も高いのは糖尿病内科
 日本医師会の発表によると、女性医師の割合が高い診療科のトップ3は、皮膚科、眼科、小児科ですが(2012年「医師・歯科医師・薬剤師調査」)、内科では糖尿病内科が1位です。

著者プロフィール

はらだ あやこ氏◎2000年帝京大学医学部卒。大阪大学第1内科(現、内分泌・代謝内科)入局後、同大附属病院などを経て、同大大学院で博士号取得。現在、群馬県内で複数の病院に勤務しながら、開業準備中。社会福祉士の夫と3人の子ども(5歳、4歳、2歳)と義母の6人暮らし。糖尿病専門医。

連載の紹介

原田文子の「レッツ ENJOY ライフ」
子育てをしながら働く現役女性医師が、恋愛や婚活、結婚、キャリア、子育て中の働き方など様々な切り口から、女性医師の生き方について綴ります。

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