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治療費の支払い打ち切りの背後に過剰医療も?!

2022/05/27
濱口裕之(メディカルコンサルティング代表医師)

 起業から2年目の春、保険会社との協業は“困った患者さん”への対応で始まりました。当時、私たちの業務は交通事故被害者側に偏っていました。保険会社に対する意見書を作成する毎日。当然のごとく、保険会社のイメージが良いはずはありません。

 日々の診療においても保険会社に対するイメージはすこぶる悪いものでした。こちらが忙しいのにお構いなしで、大量の診断書やうんざりするほど長い質問状を送り付けてくるのです。きっと、性格の悪い人が多いのだろうなんて思っていました。

 できれば保険会社と関わり合いたくないと思っている人も多いことでしょう。何を隠そう、私も交通事故診療に取り組むまではそう感じていました。しかし、幾つかの保険会社と顧問契約を締結して、一緒に仕事をするようになって考えが変わりました。あれ、そんなに毛嫌いする必要はないんじゃないだろうか。

 最近でこそ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の影響でオンライン面談が中心ですが、コロナ禍前は保険会社を毎月訪問していました。担当者と事案の協議をするのですが、交通事故被害者を慮っている人は意外と多いのです。機械的に事案を次々と処理しているとばかり思っていた私にとって、保険会社の実情は良い意味で衝撃的でした。

著者プロフィール

濱口裕之(メディカルコンサルティング合同会社代表医師)●はまぐちひろゆき氏。京都府立医科大学卒。済生会滋賀県病院、京都第一赤十字病院 整形外科副部長、京都武田病院 整形外科部長を経て、同病院副院長。整形外科医が代表をつとめる会社としては業界最大手のメディカルコンサルティング合同会社において、全国約110名の各科専門医と、年間約1000例の交通事故事案に取り組んでいる。医学博士、日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医。

連載の紹介

濱口裕之の「治療だけで終わらせない交通事故診療」
交通事故の治療後、後遺障害認定のルールを知らない医師が書く診断書によって、患者が適切な救済が得られないケースは多い。市中病院の整形外科で臨床医として働くかたわら、年間約1000例の交通事故の後遺障害認定業務に取り組む会社を立ち上げた濱口裕之氏が、交通事故診療の際に、何を検査すべきなのか、また後遺障害診断書をどのように記載していけばよいのかについて、具体的な症例を交えながら解説する。

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