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中心性脊髄損傷というアヤシイ傷病名

2022/01/13
濱口裕之(メディカルコンサルティング代表医師)

写真1○頸椎MRI像
このように頸椎MRIで明らかな外傷性異常所見を認めないにもかかわらず「中心性脊髄損傷」と診断されるケースは少なくありません。

 交通事故診療でアヤシイ外傷の一つが中心性脊髄損傷です。「中心性脊髄損傷をアヤシイ傷病名とは何事か!」と、各方面からお叱りを受けそうですね。もちろん中心性脊髄損傷は整形外科学用語集にも収録されている正式な傷病名です。

 にもかかわらず“アヤシイ”傷病名と言うのにはワケがあります。受傷機転、身体所見、画像所見、経過のほとんどが臨床像と合致していないにもかかわらず、両上肢がしびれているという患者さんの訴えだけで中心性脊髄損傷という傷病名をつける医師が散見されるからです。

 釈迦に説法ですが、中心性脊髄損傷のおさらいをしてみましょう。

著者プロフィール

濱口裕之(メディカルコンサルティング合同会社代表医師)●はまぐちひろゆき氏。京都府立医科大学卒。済生会滋賀県病院、京都第一赤十字病院 整形外科副部長を経て、京都武田病院 整形外科部長。整形外科医が代表をつとめる会社としては業界最大手のメディカルコンサルティング合同会社において、全国約110名の各科専門医と、年間約1000例の交通事故事案に取り組んでいる。医学博士、日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医。

連載の紹介

濱口裕之の「治療だけで終わらせない交通事故診療」
交通事故の治療後、後遺障害認定のルールを知らない医師が書く診断書によって、患者が適切な救済が得られないケースは多い。市中病院の整形外科で臨床医として働くかたわら、年間約1000例の交通事故の後遺障害認定業務に取り組む会社を立ち上げた濱口裕之氏が、交通事故診療の際に、何を検査すべきなのか、また後遺障害診断書をどのように記載していけばよいのかについて、具体的な症例を交えながら解説する。

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