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医療を変える「ヘルスケア・データガバナンス」って何?

2021/11/30
岡島正泰(世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター・SOMPO未来研究所)

 世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター(C4IR Japan)の岡島正泰と申します。皆さんは、「ヘルスケア・データガバナンス」という言葉をご存じでしょうか。電子カルテや電子レセプトをはじめとするヘルスケア・データを、利活用していくための自治的なルール形成のプロセスという意味で、これからの医療の形に大きく関わるトピックです。C4IR Japanが参加するヘルスケア・データの産学連携プラットフォームである「ヘルスケア・データガバナンスラボ」ではこれから、ヘルスケア・データガバナンスをテーマに連載を進めながら、医療にもたらすインパクトや医療現場でのデータ利活用のあり方について、読者の皆さんと一緒に考えていきます。

 とはいえ、C4IR Japanやヘルスケア・データガバナンスラボの名称を初めて目にする方や、ヘルスケア・データガバナンスという言葉に馴染みがない方も多いと思います。そこで、まず組織の概要と、ヘルスケア・データガバナンスラボが連載を開始する目的をご紹介します。

 ヘルスケア・データガバナンスラボは、ヘルスケア・データのマルチステークホルダーによる産学連携プラットフォームです。科学技術振興機構(JST)による「産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(Program on Open Innovation Platform with Enterprises, Research Institute and Academia: OPERA)」の一つである「PeOPLe共創・活用コンソーシアム」が中心となり、高齢者支援の産学連携研究プロジェクトであるCOLTEMプロジェクト、世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター(C4IR Japan)、日本医療ベンチャー協会、日本医療政策機構などが参加しています。

 また、C4IR Japanは、情報通信技術(ICT)、ビッグデータ、人工知能(AI)といった第四次産業革命技術の恩恵を最大化し、政策のオープンイノベーション促進、ガバナンスギャップの解消、政策の互換性を確保することを目的に、年次総会(通称ダボス会議)などを開催する国際機関の世界経済フォーラム、シンクタンクのアジア・パシフィック・イニシアティブ、経済産業省の3者が創設した国際官民プラットフォームで、多くのパートナー企業が参加しています。その中でも筆者が参加する「ヘルスケア・データ政策プロジェクト」は、ヘルスケア・データガバナンスラボに参加して日本にふさわしいヘルスケア・データガバナンスのあり方を検討しています。

 昨年来のコロナ禍では、医療提供体制の確保、PCR検査、ワクチン接種や接種証明書(いわゆる「コロナパス」ないしは「ワクチン・検査パッケージ」)による経済再開などの場面で、ヘルスケア・データのデジタル活用で先行する諸外国に対する遅れがしばしば指摘されてきました。また、高齢化が進む中、財政・人材面での逼迫が予想される医療・介護を効率的に提供していくために、研究開発へのヘルスケア・データ活用に対する期待もますます高まっています。

著者プロフィール

ヘルスケア・データガバナンスラボ●ヘルスケア・データのマルチステークホルダーによる産学連携プラットフォーム。科学技術振興機構(JST)による「産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(Program on Open Innovation Platform with Enterprises, Research Institute and Academia: OPERA)」の一つである「PeOPLe共創・活用コンソーシアム」が中心となり、高齢者支援の産学連携研究プロジェクトであるCOLTEMプロジェクト、世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター(C4IR Japan)、日本医療ベンチャー協会、日本医療政策機構などが参加している。オープン参加型のウェビナーやクローズドなワークショップを通じて、日本と世界におけるヘルスケアデータ・ガバナンスの最新アジェンダなどを議論・検討している。

連載の紹介

ヘルスケア・データガバナンスが医療現場にもたらすインパクト
医療現場に蓄積される膨大なヘルスケア・データを有効活用する上では、多くのステークホルダーによる自治的なルール形成(ガバナンス)が不可欠です。「ヘルスケア・データガバナンス」のあり方が医療現場をどのように変えるのか、各界の専門家の見解を交えて紹介します。

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